アフロ
アフロ
タイのバリスタが、世界大会で勝ち始めています。
スペシャルティの産地としても、タイ北部が急浮上しているし、
これは行かなければ。

ということで。
バンコクのロースターを10軒以上、ひたすら巡ってきたので、シェアします。

シンガポールは以前見たが、
「ああ、よくある感じね。
よくできてるね。」
という感じで、あまり印象的ではなかった。
(BACHA COFFEE以外)

しかし、タイは違いました。
「もしかしたら、数十年後のコーヒーシーンは、欧米や北欧ではなく、コーヒーの生産国が牽引するのかも」
そんなことを感じてしまうほど、刺激に満ちたものでした。

 

NANA Coffee Roasters Ari

NANA Coffee Roasters Ari
タイのコーヒー界の頂点の一角。
数々のコーヒーの大会で入賞
するようなバリスタを多数排出。

タイ北部でのコーヒー豆の生産から関与し、タイ独特のフレーバーを最大限に表現できるように、生産~焙煎~抽出までこだわりぬくクラフトマンシップ魂のあるロースター。

こちらの有名店のようです。
とても流行っていました。
内装
建物や内装もものすごくレベルが高かったです。
南国の文化もありつつ、モダンさもありつつ、ラグジュアリーもありつつ、という、こちらにしかない美的感覚。

コスタリカのハニー製法のニトロコーヒーを飲みました。
ニトロコーヒー
ワイングラスでの提供。
2階席もあって、大きな窓の外には緑が見え、とても贅沢な時間が流れるカフェでした。

もちろん、豆売りも。
もちろん、豆売りも。
パッケージデザインも、全面印刷でなかなかおしゃれ。
バンコクのお土産に、タイのコーヒーを、というのはコーヒー好きにとっては当たり前のこと。
どうせなら、こちらの国の最高のロースターから、タイ産のコーヒーを買って帰るのはいかがでしょうか?


【営業時間】7:00-18:00(土日は8時オープン)

 

Roots at Ari

Roots at Ari
上のナナコーヒーの近くにあったロースター。
こちらのエリアは日本で言えば裏原宿のような雰囲気。
インスタ映えを狙えるお店がたくさんあって、タイの若い人が集まっている。
近くに大学が多く、若いエネルギーを感じるエリア。
歩いているだけで楽しい。

ちょっと奥まっていてわかりにくいお店だけど、入ってみると常連さんがたくさんいるような雰囲気。落ち着ける良いお店でした。
こちらでハマったココナツコーヒーをオーダー。
ココナツコーヒー
甘味を指定するのを忘れてしまって、甘さマックスでした。
このレベルの甘味だと、飲めないです。

ただ、こちらのショップは甘味のレベルを聞いてくれることも多い。
25%、50%、75%など。
とても分かりやすく、指定しやすい。
このあたりの工夫、日本でも取り入れて良いと思う。


【営業時間】7:30-17:00

 

DRINK COFFEE – HQ

DRINK COFFEE - HQ
実は他のお店と間違えて入ってしまったお店。
ブルーボトル的な無機質でミニマリズムな空間設計。
無機質でミニマリズムな空間設計
豆も、スイーツも、ディスプレイに高級感が漂う。

エデンと言うシグネチャードリンクを注文。
りんごとシナモンのコーヒー。
りんごとシナモンのコーヒー。
多分、りんごジュースと水だしコーヒーのコラボ。
そこにリンゴチップスを乗っけてシナモンスティックを差し込んである。

しっかり美味しい。
上品な味でした。
見た目も良いし、これは日本でもウケそう。
パクってもいいかもしれない。


【営業時間】7:30-16:00

 

RISE COFFEE – Flagship Store

RISE COFFEE - Flagship Store
こちらも無機質な感じの、いかにもサードウェーブ系なコーヒーショップ。
物販にも力を入れていて、フィルター付きのコーヒー(つまりドリップバッグ?)の販売もしているようだ。
ベリー系風味のエスプレッソソーダを飲んだ。
ベリー系風味のエスプレッソソーダを飲んだ。
こちらのコーヒーショップは、お店それぞれで冷たいシグネチャーコーヒーをいくつか持っているので、それらを飲み歩くのも面白い。

Googleの評価件数が多いお店で、それだけコーヒーの評判が良いのだと思う。
パッケージもおしゃれ。
パッケージもおしゃれ。

お店の横はラボになっていて、ローリング社の焙煎機があった。
ローリング社の焙煎機
この辺のコーヒーショップの作りや在り方というのは、西欧の影響が色濃く感じられる。
安定のサードウェーブ系。


【営業時間】8:00〜17:00

 

Song Wat Coffee Roasters

Song Wat Coffee Roasters
人気エリア、ソンワットにある人気コーヒーロースター。
土曜日に行ったこともあり、満席の大盛況でした。
地元の若い人も来るようなお店。

焙煎機はストロングホールド。
世界チャンピオンも使う、細かい調整ができるマシンです。
コーヒーも本気でやっている様子が窺えます。
コーヒーも本気でやっている様子が窺えます。
店内は程よく雑然としてて、程よく可愛らしく、程よくスタイリッシュ。
私は、このバランス感が大事だと思ってます。
私は、このバランス感が大事だと思ってます。
何事もほどほどがちょうど良い。
店員にとっても、お客様にとっても、経営者にとっても。

スイーツも温めての提供で、しかも皿はチャイナタウンらしい模様。
スイーツも温めての提供で、しかも皿はチャイナタウンらしい模様。
細かい部分まで気が行き渡っている、良店でした。
繁盛店になるべくしてなったお店。


【営業時間】9:00-17:00
土日は18:00まで

 

LOCAL BOYS COFFEE CO. SONG WAT

LOCAL BOYS COFFEE CO. SONG WAT
上の Song Wat Coffee Roastersと同じエリア。
両店舗は場所も近いです。

ストリートカルチャーを強く感じるお店。
ストリートカルチャーを強く感じるお店。
タイの今っぽさって、このお店の雰囲気なのかもしれないですね。
東京のストリーマーコーヒー、大阪のLILOを思い出させます。
このお店の雰囲気

こちらも繁盛しており、Googleの口コミ件数は4桁!
客層は、私が行ったときは外国人が圧倒的でした。
観光客が客層のメインだと、口コミを稼ぎやすいのはあるかもですね。

豆売りもしており、アロマを確認できる器具も設置済み。
豆売りもしており、アロマを確認できる器具も設置済み。
この方法は、こちらでも一般化しているようです。
日本では、導入しているお店はまだまだ少ないですよね。

こちらで初めて、ダーティコーヒーを飲みました。
東南アジアで流行っているアレンジコーヒー。
濃厚なミルクの上にエスプレッソ(リトレットが主流)を垂らして、混ぜない。
氷も入れない、というシンプルな飲み物。
だけど、奥が深い。
牛乳の濃度やエスプレッソの濃度、そしてあえて混ぜないという選択。
一口目と3口目では味わいや口当たりが異なる。
牛乳の豊かな甘みも感じて、甘みはこれだけで十分過ぎるほど。
とても面白い飲み物で、一気に好きになりました。


【営業時間】8:30-20:00

 

Mother Roaster

Mother Roaster
バンコク旧市街のタラートノイは、路地裏に面白いお店があるエリア。
そのエリアの有名店らしいです。
1階はゾウの置物屋さん、2階がロースター、というサブカル臭溢れるショップ。
1階はゾウの置物屋さん、

1階と2階、普通逆でしょ。
ロースターが1階でしょ。
って日本の感覚からからすると思うけど。
案外、ゾウの置物屋さんの方が儲かるのだろうか?

2階の店内は適度に広く、適度に適当に席が散らばっている。
なので、居心地がすごく良いお店。
なので、居心地がすごく良いお店。
散策で疲れた足を休めるには、良いお店かと思う。
土曜日の午後行ったけど、お客様も適度な入り具合でちょうど良かった。
名前の由来は、こちらのオーナーが70代のおばあちゃんバリスタなのだが、彼女から来ているのだと思う。
定年退職後に屋台でバリスタを開始し、ここまでのお店を作り上げたそう。
人間、スタートは幾つになってからでも遅過ぎることはない、という良い事例ですね。

【営業時間】10:00-17:00

 

Pacamara Coffee Roaster Thonglor 25

Pacamara Coffee Roaster Thonglor 25
トンローとは、日本でいうところの青山。
高級なお店があるおしゃれエリアで、日本のお店もたくさんある日本人街。
そのエリアのハズレの方、あまり人がいかない場所に、ひっそりと、しかし実は堂々としたロースタリーがありました。

こちらの国のサードウェーブ系をレペゼンするお店のひとつ、だそうです。
チェンマイ発ということで、生産地とも深いつながりがありそう。
お店の隣はラボになっていて、競技にも力を入れている様子が窺えます。
お店の隣はラボ
NANA Coffee Roastersと並んで、コーヒーガチ勢の一角なのかもしれませんね。
コーヒー豆のパッケージも、高級感、ハイブランド感がある。
コーヒー豆のパッケージも、高級感がある。

クラシックな水出しコーヒーを飲みましたが、バランスが秀逸。
クラシックな水出しコーヒーを飲みましたが、バランスが秀逸。
ここまで美味しい水出しと出会えるのは、嬉しいですね。


【営業時間】6:30~18:00

 

Beans Coffee Roasters

Beans Coffee Roasters<
こちらは、最近多くの店舗展開をしている勢いのあるコーヒーチェーン。
バンコクで、最も成功した豆売りのチェーン店と言っても良いかもしれない。

高品質なコーヒーを、スタイリッシュな空間で、というスタバの上位互換。
日本で言うと、猿田彦珈琲の位置付けかと思う。

こちらのお店は2階席、テラス席もあって落ち着けるお店。
市内の他のおしゃれエリアにも多数出店している、チェーン店。
どちらの店舗も席数がそれなりにあ離、居心地が良い。
作業をしたいときに利用するのも良いと思う。

暑い国だからか、コーヒーリキッド、コーヒーベースの販売に力を入れているようだ。
物販の中心らしく、大きくディスプレイされている。
こんなに多くの種類のリキッドを売っているのは、初めて見た。
こんなに多くの種類のリキッドを売っているのは、初めて見た。
これは、日本でもやる価値があるかも。

いくつかの店舗に行ってみて、ココナツコーヒーやエスプレッソオレンジなど、アレンジドリンクを飲んでみた。
ココナツコーヒーはこちらではメジャーな飲み物。
エスプレッソとココナッツジュースを混ぜた飲み物のようだ。
飲んでみたら、価値観が変わりました。

今まで私は、エスプレッソを使ったアイスのアレンジコーヒーに否定的でした。
エスプレッソソーダとか。
オレンジュースとエスプレッソとか。
味の嫌な部分が目立ってしまうからです。

それが今回は、
ココナッツジュースのやや強めだけど丸い甘味とバター感のある食感。
それにエスプレッソのザラつい質感と苦味。
めちゃくちゃ合っていて、衝撃的な味覚の複合コンボ。
これは美味しい。
なるほど、エスプレッソでもアイスメニュー作れることがあるんだ。
と言う新しい発見が嬉しかったです。


【営業時間】7:30-22:00
月~水は18:30まで

 

Cafe Amazon

Cafe Amazon
バンコクの一大チェーン。
日本で言うところのドトール。
お店の作りも、清潔感あるけど、どこかチープ。
マクドナルドの内装と質感が似ている。
マクドナルドの内装と質感が似ている。
豆売りなどもしっかり対応。

こちらのチェーンだけあって、お茶メニューが充実。
コーヒーメニューにしても、練乳を入れたり、フルーツを入れたり、自由度が高い。
見習うべき点はたくさんだなと思う。
見習うべき点はたくさんだなと思う。

とにかく店舗数が多く、街中で見かけるお店でした。
こちらの人の生活インフラになっているお店。

ハイエンドなコーヒーショップを見て回るのも楽しいが、ただしこのクラスになると各国ともに同じような感じになりがち。
こちらのお店のような、人の生活の一部に密着して入り込んでいるショップの方が、刺激的で面白かったりする。

 

はかた珈琲

はかた珈琲
こちらのエリア最後の一つははかた珈琲。
プロンポンの裏通りにあり、このあたりは日系のサブカル色あるお店が立ち並ぶ、魅力的なエリア。「今のリアルな空気感」の日本人街を感じる。
綺麗なエリアで、商業施設に入ると冷房がガンガン効いてて、先進国のものが何でも手に入る。
しかし一歩裏に入れば、生々しい現地で生きる日本人の生活臭を感じることができる。
面白い。
内装のデザインも
モーニングもあり、内装のデザインも抑えめ、典型的な日本の喫茶店という感じ。
これは、現地で生活する日本人にウケるだろうな、と思う。
狙ってこのようなコンセプトでやっているのだろう。
日系スーパーの隣、という立地からしても、そうなのだろうと。
豆売りもやっている様子。
豆売りもやっている様子。

この方向でもう少しブラッシュアップして、立地も今のタイの人気エリアに出店すれば、現地タイ人にも、もしかしたら観光客にも人気の出るカフェを作り上げられる可能性はありそう。

現地で成功するコーヒーショップを今から作るとすると・・・
・立地は現地若い世代と観光客が集まるエリア
・コーヒーだけでなくティーメニューも充実
・日本の高品質抹茶を押し出す
・現地化されたアレンジコーヒーメニューの充実
・デザインの良いギフト需要に応える物販
今のところはこんな感じかと思います。

実は私もバンコクに出店したい思いがあり(今のところは夢と目標の中間という感じですが)、今回の旅はそのための視察を兼ねていました。

なので、色々と考えさせられるお店でした。
あんバター
そして私はあんバターを頼んでしまいました。
2週間の旅の最後に、我慢できずにw


【営業時間】8:00-20:00
定休日:月曜日

 

ONIBUS COFFEE Bangkok

ONIBUS COFFEE Bangkok
三茶にあるサードウェーブの有名店、オニバスのバンコク店。
バンコクの有名な寺院の近く、日本でいえば奥浅草のようなエリア。
旧市街と歴史的な観光施設、そしてカオサンロードも比較的近く、バックバッカーなど長期滞在者も多いエリア。
そんな場所の、ホテルの1階に組み込まれたコーヒーショップ。
このような形での海外進出は、非常に練られていて参考になる。
ホテルの1階に組み込まれたコーヒーショップ。

旅を通じて、海外進出するならバンコクだな、と思う。
シンガポールでも、ハノイでもない。
他にもっと適した地があるとは今のところは思えない。
(KL、ジャカルタも気になるが・・)
ではバンコクのどの立地で、どの層を狙うのが良いのか?
現地のミドルアッパー層(そんなのがいれば)、観光客、現地滞在のビジネスマンおよびその家族、あたりがターゲットとなるだろうけど、この中でも優先順位をつけなければいけない。

オニバスは、観光客に振り切っているように見える。
サードウェーブの雄のお店らしく、高品質とデザイン性を武器に日本のコーヒーショップをそのまま持っていっている。
本当に、そのまま。
本当に、そのまま。
ローカライズなんて、ほぼされていないんじゃないだろうか。

そして見て思ったのだが、この方向性は分が悪い。
海外のロースターは勢いが凄まじく、それに品質や日本への信頼だけで対抗できるとは思えない。
何か、日本のもので無双できるような武器、食で言えば和牛のような・・・
そう、日本産の高品質な抹茶とか、そんなメニューを押しだしていかないと、まともには戦えない。
抹茶も中国産ベトナム産などおされ気味だけど、コーヒーショップが取り扱う分野では、数少ない勝負できる商材の一つ。

抹茶。
それと、和菓子。
特にウケの良いモチ関連。
上のはかた珈琲は、だんごをやっていた。
これは大きなヒントだ。

ただし、お茶が入るとコーヒーショップとしての特徴は薄まり、ブランディングにはマイナスだ。
とすると、最初からお茶で勝負した方が良いのでは・・・?
サードウェーブ型のティーショップで現地のティーショップとガチンコの勝負。

高品質な日本製茶葉を使用し、フルーツ入りのアレンジティードリンクと、フルーツ大福などのもちスイーツのマリアージュを提供するティーショップで勝負。
勝てるか分かんないけど、これは面白そう。

・・・というのが、今のところの私の考えです。
何年後かになるか分からないけど、やりたいと思う。
どなたか私と組んでも良いという方、いらっしゃいましたら連絡くださいw

【営業時間】8:00〜17:00

 

おわりに

おわりに
バンコクのコーヒーショップは、自然体だ。

暑いからコールドドリンクが発達した。
若い世代と観光客が多いから、見た目と体験にこだわる。

でも、韓国のように欧米をキッチリとコピーし、過度なまでにスタイリッシュさを追求する、ということはない。
ある程度のゆるさや遊びがあり、その隙間に自分たちのスタイルを入れてくる。
それらが自然と、オリジナルなメニューと空間、雰囲気を作っている。

翻って、日本はどうか。
自然体で、自分たちのスタイルを素直に打ち出せているのか?

スタイルはある。
戦後の自家焙煎店の味作りの歴史、深煎りのデミタス、ネルドリップ、純喫茶。
世界のどこにもない、固有のコーヒー文化だ。
ただ、活用できていない。

スペシャルティコーヒーの文脈で、欧米や北欧の土俵に上がってしまっている。
向こうのルールで戦おうとしている。

ただし、単純に和のデザインや自分たちの文化を入れれば良い、という話ではない。
自分たちのルーツや文化、
今の自分たちが素直に良いと思うもの、
これからの自分たちの「こうありたい」、
これらをミックスしたお店やサービス、商品。

これをやればいいのにな、と思う。
考えてみれば当たり前の話なんだけど。

情報が多過ぎて、
海外のブランドや権威に圧され過ぎて、
私たちは、当たり前の自然体で商売ができていない。
バンコクのコーヒーショップは、より自然体だったので、自分たちがいかに凝り固まってしまっていたかが、浮き彫りになってしまった。

今回の旅では、そんなことを感じました。