台北コーヒーショップ巡り|スペシャルティ・台湾産コーヒー豆・大手チェーン店まで、開業者目線で徹底解説
台湾は、アジア、いや世界のコーヒーシーンの中で、色々な意味で存在感が増している国。
早い段階で世界バリスタチャンピオンシップ(WBC)の優勝者を輩出したり、
阿里山をはじめとする国産コーヒーが世界的に注目されたり、
焙煎機や消煙装置などの機器産業まで急速に進化していたり。
その密度と勢いは、台北の街を歩くだけで肌で感じることができる。
今回は台北市内のコーヒーショップを10店以上巡ってみた。
その中で7店舗をピックアップ。
老舗の自家焙煎店から、世界レベルのスペシャルティロースター、台湾No.1チェーンまで、業態も価格帯も様々。

森高砂咖啡館|中山店

台湾産のコーヒーにこだわるコーヒーショップ。
とても成功しているようで、市内に何店舗かあった。
もちろん豆売もしており、台湾らしいパッケージデザイン。

これらは、茶葉屋さんからの影響があるのだろうと思う。
日本も、お茶やお米、和菓子などが発展しており、資材のバリエーションなど、それらを取り巻く色々なものが分厚い。
我々ロースターもその恩恵を受けている。
フランスなどでも、資材屋さんやパッケージ屋さんを見て回るのはきっと楽しいだろうな、と思う。
ここはかなり大きなお店で、広い2階席もある。
モダンな台湾風の内装で、欧米や北欧を安易に追従していないところが好感が持てる。
もちろん、台湾産のコーヒーを飲んだ。
阿里山という、台湾の中でもトップの名産地のコーヒー。
フルーティで、熟度が高く、口当たりがとろっとしている。
とても美味しい。
面白いのが、ホットで頼んでもおまけでアイスが少しついてくる。

ビーカーのようなものに入ってて、冷やしてくれている。
飲み比べてみてください、とのこと。
お客様に特別な体験を、という気持ちが伝わってくる。
良い試みだと思う。
台湾のコーヒーは、今まで飲んだもの全てが美味しかった。
世界的にもすでに注目されている産地だ。
日本で買うと値段がべらぼうに高いけど、こちらで買う分には許容範囲な値段か。
台湾土産にパイナップルケーキではなく台湾産コーヒー豆というのは、とても良い選択肢かと思う。
私も、こちらの缶入りのコーヒー豆を購入。

フローラルで繊細な味わい。
パナマ産のコーヒーと似ているかもしれない。
【営業時間】
11:00~20:00
不定休
Fica Fica Cafe (啡卡咖啡)

台北を代表するスペシャルティコーヒーのお店の一つ。
北欧の焙煎コンペティションでアジア人初優勝を飾ったお店とのこと。
場所はオフィス街の中にある公園のほとり。
非常に気持ちの良い場所で、広い店内には多くの客席があり、平日昼から賑わっていた。
パンのプレートなど、ランチもやっている様子。
スイーツや、台湾ならではの高品質なティーメニューもあり。
豆売りもやっていて、パッケージが可愛い。

店内はおしゃれだけどスタイリッシュ過ぎず、木の温もりも感じられて居心地が良い。

店作りの全ての面において高スペックなお店。
台北どころか台湾を代表する有名店というのは、納得。
高品質なティーメニューという武器があるので、台湾のロースターが日本に進出しても面白いかと思う。
逆に日本のロースターが台湾に進出したところで、何かよっぽどの武器がないと厳しいかとも思った。
高品質なお茶は1杯1000円以上で2000円以上のものも。
標高が高いところで栽培されている特別な茶葉のようだ。
試しに頼んでみた。

やや高いかとも思うけど、お湯の継ぎ足しは無料。
茶葉は変えられないけど繰り返し抽出でき、何杯も飲めることを考えるとコスパは悪くない。
スタッフにトレーごと持っていくと、お代わりのお湯を入れて抽出するところまでやってくれた。
良い茶葉は、2煎、3煎と飲むことができる。
そして台湾のお茶は、お店でもそのような飲み方ができる。
日本でも、家庭でお茶を飲む人は普通にやっていること。
でも、お茶を飲まない世代の我々からすると、とても新鮮に映る。
【営業時間】8:00~21:00
月曜日のみ10:30オープン
Simple Kaffa Huashan Flagship Store

台湾を代表するロースター。
日本で言うと丸山珈琲のような感じだろうか。
空港の中にも出店しているので、こちらのトップブランドかと思う。

こちらのお店は、華山1914文化創意産業園区という、日本統治時代の酒造跡地に作られた商業施設の近くにあるフラッグシップ店。
ここの建物も、旧統治時代のものをリノベーションしたもの。

天井から降り注ぐ天窓からの柔らかい日差しもあって、幻想的な雰囲気がある。
オーナーは2016年WBCの優勝者。
北欧や欧米が圧倒していた時代、2014年の井崎氏に続き、台湾からチャンピオンが出たことはセンセーショナルなことでした。
オーナーの経歴から容易に察することができる通り、コーヒーの味作りに関しては本気度が突き抜けているお店。
焙煎や抽出に科学的なアプローチをしているようで、台湾の中ではトップのお店という認識らしい。
台湾のランドマークタワー、101の88階にも出店。
とにかく、こちらでは目立っているショップでした。
ドリンクの提供のやり方、お店の雰囲気やパッケージなどからも、ビシバシとプライドが伝わってくる。

中華系センスの高級店、高品質ブランディング。
日系センスの高級店、高品質ブランディングは、今だに明確に成功しているお店がないかもしれない。
数少ない、日本のコーヒーショップの中で空いているポジションかも。
【営業時間】10:00~17:00
不定休
CAMA CAFE 台北天津店

豆売り店としてチェーン展開しており、台北でかなり存在感のあるお店。
東京のやなか珈琲、神戸のTAOKA、福岡のハニー珈琲
のような位置付けかも。

店内にガスの1kg窯が鎮座。
豆売りのディスプレイが大きく、力を入れているのが分かる。

そしてコーヒースタンドとしての機能もあり。
台湾ならではのティーメニューもあり。

立地も良く、商材も良く、店内レイアウトも効率的。
売上の作り方が手堅い。
焙煎機はどこのメーカーか分からない、見たことないやつ。
ダクトの先にはフィルターが設置されている。

フィルターの先にはファンがあり、排気がアシストされていた。
かなり優れたシステム。
日本ではありそうでない。
焙煎機も、このような排煙装置も、台湾製は進化している。
この、日本メーカーとの技術力の差って何なんだろう?
市場の大きさの違いだろうか?
あちらは言語の壁がないから中国という大きいマーケットがあるから?
今後は日本も、台湾製の
・焙煎機
・消煙機
・欠点豆除去装置
などに依存する流れかもしれない。
その代理店というポジションを担うのも、悪くないかも。
台湾らしく、ドリンクの提供にはリッドがなくてフィルムでした。
エコだし、コスト削減になるし、こっちの方が良いかもしれない。
取り入れてみようかな。
【営業時間】
7:30~17:00
蜂大珈琲

1956年創業。
台湾の自家焙煎店の先駆け的なお店らしい。
日本で言えば、銀座のランブルといったところか。
どことなく昭和の雰囲気が漂っている。
店頭にはコーヒー豆と台湾のお菓子のディスプレイ。
この組み合わせは刺激がある。
店内で飲みたい時は席に案内され、そこで注文。
奥に冷房が効きすぎているイートインスペースが。

ドリンクが届いたら、その場でお会計というシステム。
キビキビした動きのおばちゃんが切り盛りし、カタコトの日本語で接客してくれる。
色々なお店で日本語で接客してもらえるが、こちらの人はどうやって私が日本人だと見分けているんだろう?
深煎りの自家焙煎コーヒー、
ブルマンのブレンド、
サイフォンでの抽出、
ハリオの器具、
などなど、日本の自家焙煎店の流れを感じる。
多分、創業者がこちらに持ち込んだのだろう。
台湾に来て昭和を感じるお店に出会うとはw
なかなか面白い体験でした。
【営業時間】
8:00~21:30
LOUISA COFFEE Jiancheng Circle Shop
高品質なコーヒー、
エスプレッソ系ドリンク、
落ち着ける客席、
などなど。
街角のコーヒースタンドから始まったお店らしいが、本家スタバを超えて、台湾NO.1のコーヒーチェーンとのこと。
日本のタリーズはスタバを超えられなかった。
なのでLOUISA COFFEEとタリーズの歩みを比較してみるのは面白いかも。
AIに分析させると、
主な要因は2つ。
①タリーズはスタバと正面衝突してスタバの下位互換のイメージなったことに対し、LOUISAは低価格路線(スタバの約半額)で完全に棲み分けしたこと。
②LOUISAは出店コストが低く網の目のように出店でき、台湾の日常に溶け込んだこと。
③タリーズはFC比率が約4割強に対し、LOUISAは8割以上。
一言でまとめると、
「スタバ並みの品質なのに、価格はドトール並み」
を実現したことが要因らしい。

店内は長居できる雰囲気。
多くの席がコンセント完備で、仕事をしている人もたくさん。
客席間のスペースも広く、あまり混んでもいないので、半日くらいなら平気で篭れそう。

このLOUISA COFFEEのように
「高品質なスペシャルティを、スタバよりも安く」
というポジションは、日本でも空いているのでは、と思う。
ドトールが「ドトール珈琲店」という新業態を頑張っているけど、ブランディング的に「ドトール」は外さないとダメだろう。
LOUISAのLINEリッチメニューを見てみると、いきなり加盟店案内のアイコンがw
FC店の加入に力を入れているのが、このようなところから良くわかる。
こんな一般の人が見る場所にデカデカと案内があるなんて、日本では通常は考えられない。
ドリンクもMサイズなのに、かなりビッグでした。
こちらのコールドドリンクは、みんなこんな感じ。
【営業時間】
7:00~21:00
幻猻家珈琲(Pallas Cafe)

路地裏の古い建物をリノベーションした、とても雰囲気の良いコーヒーショップ。
プリンとか、カレーとかが人気のようです。
狭い通りだけど、この一角だけとてもおしゃれ。

深夜までやっているので、旅人としてはありがたい。
店員さんの雰囲気も柔らかく、とても落ち着けるお店。
中目黒とか恵比寿とか、京都とかにありそうだなお店だな、と思いました。
小さいお店にありがちな、長居しにくい雰囲気はなく、お客さん全員が長居してましたw
英語のメニューはなかったけど、漢字で大体想像ができる。

台湾産のコーヒーも飲めるようです。
台北は、夜カフェが各地にあるので助かる。
23:00くらいまで開いてるお店は多いし、中には翌2:00、4:00まで、なんてお店も。
東京も渋谷とか六本木とかにはそんなお店もあったけど、コロナで全滅。
人手不足もあって、未だに復活していない状況。
夜型の私は行くお店がなくて本当に困っている。
マスターの雰囲気も物腰が柔らかく、ホスピタリティを感じるが、程よい距離感。
という最高の接客。
台北に再度くることがあれば、また来たいお店だなと思う。
今回色々と訪問した中で、一つだけ人にお勧めするなら、このお店。
【営業時間】11:00~23:00
火曜定休
おわりに
台北のコーヒーシーンを歩いて強く感じたのは、「コーヒー」が単体で成立しているのではなく、お茶文化・茶葉産業・パッケージ文化・機器産業といった厚い周辺環境に支えられているということ。
日本が和菓子やお米文化の恩恵をコーヒー業界が受けているのと、構造は同じかもしれない。
それでも、世界コンペで勝ち、国産コーヒーを磨き、独自のチェーンモデルで市場を席巻する——そのスピードと実行力は、日本のコーヒー業界にとって参照すべき点が多い。

パイナップルケーキより喜ばれるかもしれません。
コーヒー好きのあなたへ|「好き」を仕事にする前に知っておきたいこと
この記事では、コーヒーショップやコーヒーの魅力について紹介してきました。
コーヒーには、飲む楽しさだけでなく、豆選び・焙煎・空間づくり・お客様との関係性まで、奥深い魅力があります。
一方で、いざ「いつか自分のお店を持ちたい」「コーヒーを仕事にしてみたい」と考えると、好きな気持ちや美味しいコーヒーを淹れる技術だけでは、続けていくのが難しい現実もあります。
大切なのは、コーヒーの魅力をどう届け、どう売上につなげ、どう無理なく続けられる形にするか。
そこで、コーヒー好きの方に向けて、LINE登録特典として『「好き」を一生の仕事にする方法』を無料でお届けしています。
この無料書籍では、500店舗以上のコーヒーショップを巡って見えてきた「続くお店」と「続かないお店」の違いや、月商405万円を達成した物販モデルの考え方などをまとめています。
- 「美味しい」だけではお店が続かない理由
- 500店舗を巡って見つけた、続くお店と潰れるお店の差
- 月商405万円を達成した物販の考え方
- コーヒーを「好き」で終わらせず、仕事にするための設計
コーヒーが好きな方、いつか自分のお店を持ちたい方、コーヒーを仕事にする選択肢に少しでも興味がある方は、開業を考える前の“最初の一冊”として、ぜひ活用してください。
LINEに登録すると、すぐに無料で受け取れます。







