カフェ開業

飲食店のDX化はなぜ失敗するのか?事例をもとに考えてみる。

飲食店のDX化はなぜ失敗するのか?事例をもとに考えてみる。

先日、飲食店のDX化の旗手と目されていた中目黒のBLUE STAR BURGERが閉店となりました。
中目黒だけでなく、展開していた4店舗全てが閉店となりました。

徹底的にDX化した取り組みは、まさにナイストライでした。
しかし、上手くいかなかった。

アフロ
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私たちは、先人たちの歩みから学び取り、次に繋げなくてはいけません。
そこで、飲食のDX化が上手くいかなかった事例を振り返ってみることにします。

失敗事例の共通項に注目すると、色々と見えてくるものがありました。

この記事を書いた人
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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
昨今、感染症対策として飲食店のDX化が進みました。

キャッシュレス決済は、今や無い店を探す方が難しいです。
また、店内席があるお店ではQRコードによる注文(モバイルオーダーシステム)も普及しました。

ぐるなびの調査では、76%の飲食店が店舗運営のデジタル化の推進は必要と考えているそうです。
また多くの店(70%強)がネット予約を導入済みで、今後導入したいことはモバイルオーダーシステムが40%弱で最多だったとのことでした。

ただし、実はこれらは厳密に言うとDXとは言えないようです。

経済産業省によると、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、デジタル技術によって、ビジネス自体そのものを革新的に変化させる概念、とのこととです。

つまり、単にお会計をキャッシュレスにすることや、モバイルオーダーシステムの導入がDX化ではないとのことです。

本当のDX化が目指すところは、

  • ニーズを細かく分析して商品化に活かしたり、
  • 顧客情報をデータ化して個別サービスの提案に繋げたり、
  • 食品ロスや人件費の削減などのコストダウンを実現したり、
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すこし小難しいですが、要は「革新的」ってことです(雑)。

 

飲食業界で注目を集めた2つのDX化事例

飲食業界で注目を集めた2つのDX化事例閉店した中目黒店

飲食業界で本気でDX化に取り組んだ事例は多々ありますが、最近、注目を集めたのはBLUE STAR BURGER
アプリで注文・決済を行う、テイクアウト専門のハンバーガー屋さんです。

それと、コーヒー業界ではTAILORED CAFE
こちらも専用のアプリで注文・決済の、テイクアウト専門のコーヒースタンドでした。
COFFEE Appというアプリです。

そして、両店ともに上手くいかなかったようです。
BLUE STAR BURGERは関東関西で矢継ぎ早に4店舗展開しましたが、全て閉店。

TAILORED CAFEも、
SHIBUYA STAND店、
麻布十番店、
六本木店、
と閉店し、残っているのは渋谷西武の中にある店舗のみ。

両チェーンともに注文から商品お渡しまで、完全非接触。
接客不要でスタッフも商品作りに集中でき、一時は飲食の次のカタチともてはやされました。

アフロ
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しかし、この結果・・・。
何がいけなかったのでしょうか?

この2つの事例を見てみると、形態としてはとても似ています。
ですので、失敗の原因は共通しているのではないかと推測されました。

 

2つの最先端のお店が失敗した原因

2つの最先端のお店が失敗した原因
BLUE STAR BURGERとTAILORED CAFEの共通点は2点。

①テイクアウト専門店にしたこと
②可能な限りのDX化を推進したこと

この共通点は、はっきりしています。

①テイクアウト専門店にしたこと

どちらの店舗も「テイクアウト専門店」にしましたが、店内席を設けないことで省スペースでの出店、出店コストの削減を狙いました。
また、店内ペレーションを簡略化することも実現しました。

しかし、BLUE STAR BURGERは、途中から方針転換をして、店内席を大々的に設置し始めました。
それだけ、ニーズを履き違えたという反省があったのでしょう。
ただしそれでも、撤退することは防げませんでした。

TAILORED CAFEも店内席のない店舗を撤退させました。
現在唯一残っている渋谷西武内の店舗は、店内席があり、売上のメインはテイクアウトではなく店内喫茶だろうことが推測されます。

②可能な限りのDX化を推進したこと

ふたつめの、可能な限りのDX化を追求したこと。
これによって注文〜会計をDX化して、お店のオペレーションを究極なまでに簡略化したことも共通しています。

これらの失敗から、この2店舗は大きくニーズをとらえ損ねた可能性があります。

まず、お客様はテイクアウト専門店なんか大して求めていなかった、ということです。
というか、飲食店が提供する価値の中で、「店内席を提供すること」が占める割合はとても大きい、ということです。
テイクアウト客と店内飲食客とではどちらが多いか考えると、間違いなく店内飲食の方でしょう。

そして、注文〜会計のDX化は、集客に効果がないどころか、むしろマイナスに働いたと考えられます。
専用アプリのダウンロードというめんどくさい工程を乗り越えられるのって、極一部の目新しいもの好きの人か、ヘビーユーザーといった、極一部の人のみです。
新規客の獲得には、間違いなく大幅にマイナスだったかと思われます。

アフロ
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これらのお店は、飲食のDX化というナイストライではありました。
しかし、あまりにも自分本位なDX化ありきの、お客様を置き去りにした業態となっていた可能性が高いです。

 

現在、飲食のDX化で可能なこと

現在、飲食のDX化で可能なこと
以上のような貴重な2つの事例から見えてくることは、飲食のDX化にはコツがある、ということです。

①店内席は削らずに提供すること。
②アプリのダウンロードなど、お客様にとって面倒な工程を作らないこと。

この2つを守りながら、それ以外のところでDX化に取り組んだ方がよさそうです。

上記の失敗事例2つのお店は、店内席がないためにアプリを事前にダウンロードしてからお店に行く必要がありました。
それが新規客の獲得を妨げていた一因にもなっており、DX化が集客にとってマイナスに働いた事例になってしまいました。

しかし、飲食でもDX化を上手く取り入れているお店もあります。
そんなお店は、下記のような共通項があります。

店内席のある店で、来店されたお客様はとりあえず席に通します。
着席したお客様に対して、QRコードでメニューや決済の案内をします。

このようなモバイルオーダーシステムによってホール業務を削減でき、少ないスタッフ数でお店を回せるようにすることができます。

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顧客データの取得やその活用など、DX化の需要な側面は捨ててしまうことになりますが、現在のところはこのくらいがベターな様子です。

 

現在の飲食店のDX化の問題点

現在の飲食店のDX化の問題点
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現在の飲食店のDX化の問題点は、
「DX化による恩恵をお店側は受けるが、お客様側にとってはむしろ負担やマイナスになる。」
ということに尽きると思います。

その根拠は次の3つです。

①DX化によってお客様のニーズとズレてしまうことがある。
上記の2つの事例のようにDXにこだわるあまりに、自己中心的な店作り・サービス作りとなってしまい、お客様が求めることとズレが生じてしまうケースが見られます。

②お客様側のアプリダウンロードのハードルが高い。
革新的で効果的なDX化をしようとすると、アプリの利用は避けられません。そうしないと顧客データが自社のものにならず、活用できないからです。
ただし、お客様側には負担になり、特に新規客の獲得には通常はマイナスに働きます。

③DX化による利便性や価格の割安感など、お客様が感じるメリットが薄い。
DX化によるお客様側のメリットとして謳われているのは、「利便性の向上」と「価格の低減」です。
しかし上記2点のマイナスを上回るメリットを提供できているお店を、私はまだ知りません。

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そして、お店側にも問題点はあります。

①設備や仕組みを導入するコストが高い
当然のことながら、導入コストやランニングコストが発生します。
また、自社専用のアプリやシステムを開発することになると、さらに費用が嵩みます。

②従業員の満足度はむしろ低下する傾向がある。
上記のBLUE STAR BURGERの場合、オープン当初は殺到するお客様を捌くために、スタッフがひたすらハンバーガーを作る作業環境だったそうです。
そうなると、お客様との接点が希薄になり、工場内作業と変わりません。
仕事が完全にルーティンワークとなり、面白みに欠け、定着率にも悪影響があったのではないでしょうか?

アフロ
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これらのことが複合的に絡み合い、飲食店の革新的なDX化は、まだまだ実現が難しいという状況がリアルなところではないでしょうか?

 

飲食店のDX化に足りないピースは何か?

飲食店のDX化に足りないピースは何か?
そうは言っても、DX化は必要にして自然な流れです。
足りないピースがカチっとハマったとき、それが業界のスタンダードとなって普及する未来は来ると思います。

飲食店側にとっては、DX化のメリットは既に十分あります。
ですので多分、足りないピースとは「お客様側にハードルを越えさせる為の何か」です。

そのポイントは2点。
利便性と価格です。

①圧倒的な利便性を提供するのか?
②圧倒的な割安感を実現するのか?

もしくは、
③これらを組み合わせるのか?

アフロ
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そうやって、「お客様側にハードルを越えさせる為の何か」を提供できたとき、飲食店のDX化は始めて一般的に普及するのではないでしょうか?

わざわざ専用アプリのダウンロード&インストールをせずとも、お客様が恩恵を享受できる仕組み。
その仕組みによって、お客様が利便性と価格の割安感を感じられるもの。

そう考えると、道は2つです。
①今すでに普及しているアプリに追加の機能が加えられるか?
②今後、広く普及するDX化に貢献するアプリが出てくるか?
ですね。

Twitterが決済機能を実装しようとしていますが、このような動きのなかから新しい未来が見えてきそうです。
そして、そのためのマストなピースは、ブロックチェーンの技術ではないでしょうか?

詳しくは長くなるので省きますが、みんながウォレットを持ち、デジタル通貨での決済が当たり前になれば、色々なことが一気に進むのは間違いありません。
わざわざ自社のアプリを開発する必要もなく、お客様もお店毎にアプリをダウンロードせずに済みます。

お店とお客様がダイレクトに繋がり、決済が簡単になります。
しかもクレカ会社などの中間業者が不要になるので、マージンがとられずにコストが下がります。

スマホが普及して一気に世の中が変わったように、デジタル通貨とそれを使うためのウォレットの普及足りないピースがカチっとハマり、飲食業界に限らず大きなインパクトをもたらすと思います。

 

飲食店のDX化、現時点での結論

飲食店のDX化、現時点での結論
結論としては、現状の飲食店のDX化は、お客様側に明らかなメリットを提供できていません。
そして、お客様側にメリットを提供できることが一般化する為には、デジタル通貨の普及が必須のように思えます。

アフロ
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それ以外の方法もあるかもしれませんが、少なくとも私にはまだ見えておりません。
誰か教えてください。(本気)

そんなこんなで、現状、DX化に本気なところほど、自己中心的なお店作りとなっており、お客様やスタッフが置き去りにされがちです。
しかし、新しい試みなので、不具合が出るのは当然。
ナイストライです。

我々は、先人たちの屍を乗り越え、その軌跡から学び、さらに進化したDX化に取り組めばいい。

QRコードによるモバイルオーダーなどのように、取り込める部分は取り込み、お客様のマイナスになることには慎重に取捨選択する。
そして、将来に備えてブロックチェーンの動向はチェックして勉強しておく。
せめてメタマスクくらいは使えるようにしておく。

現状では、このくらいの温度感が良さそうです。

まとめると、
DX化にこだわりテイクアウト専門店にすると失敗する。
過度なDX化は集客に大きなマイナスとなる。
集客にマイナスにならない程度のDX化には対応しておく。

こんなところでしょうか。
参考になれば幸いです。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

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