長い方がいいの?
ただ前提として、最初はあまり時間は気にしなくてよいのではないかと思っています。
短くても長くても、それぞれ一長一短があり、「これが正解の時間」ってのは無いからです。
この記事を読むと、
- 焙煎時間の長さがどのように風味に影響するのか
- 適切な焙煎時間はどの程度なのか
このようなことが分かり、自宅で上手に焙煎できる目安が手に入ります。
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コーヒー豆の焙煎時間の影響
コーヒー豆の焙煎時間の短い・長いにはそれぞれにメリットとデメリットがあります。
焙煎時間が短い
メリット
- 味や香りが強い
焙煎時間が短いと、熱による豆の成分が排出される時間が短くなります。
その分風味が強くなり、豆の個性やポテンシャルが大きく引き出されます。
デメリット
- 味が濁る
- 香りが長持ちしない
コーヒー豆に均等に熱が加わりにくく、ムラが出やすくなります。その為、味が濁りがちです。
また、急に熱が加わったことによって豆の組織がもろく、香りが抜けやすくなります。その為、長期保存に適していません。
焙煎時間長い
メリット
- 味がクリア
- 香りが長持ちする
焙煎時間が長いと、コーヒー豆に均一に熱が入り、ムラがなくなります。その為、味がクリアになります。
また、組織が壊れにくい為に、香りが閉じ込められて長く保存できる傾向があります。
デメリット
- 味や香りが薄い
焙煎中に成分がより飛びますので、うまみ成分や香りの総量が少なくなり、ボディや個性が弱まります。
理想のコーヒー豆の焙煎時間
それではコーヒー豆の焙煎時間はどのように考えたらよいのでしょうか?基本的な考え方を解説します。
コーヒー豆の焙煎時間 基本の考え方
「ムラが出ない程度に、できるだけ短く」
要は、バランスをとること。これが基本です。
焙煎時間をできるだけ短くして、豆の風味を強く保つことが一番重要です。
シンプルにボディも香りも強くなり、豆の個性やポテンシャルをより引き出すことができます。
ただし、あまり短過ぎるとムラが大きく出たり、ヒドイときには成分の化学反応がうまく進まず、重い酸味が残ることにもなります。また、焙煎後の豆の劣化も早まります。
味のクリアさ、豆の風味をできるだけ長持ちさせる為にも、ある程度時間をかけることは必要です。
結局は、バランスです。
フライパン焙煎(手網焙煎)の時間
これは、一般的な焙煎機の焼き上がり時間と一緒です。
同じように熱を加えるのがベスト。
ですが、少し長めに焙煎時間をとることが失敗しないコツでもあります。
自宅焙煎の手順と時間の目安
①蒸らし(水抜き)
蒸らしは5分間。
最初はじっくり、弱火と中火の中間くらいの火力で、じっくり蒸らしましょう。
5分以上長めに蒸らしをすることも、ムラを防ぐためには効果的です。
②焙煎開始〜1ハゼまで
1ハゼが開始するのは、7〜8分目くらいです。
蒸らしが終わったらやや弱めの中火でしっかりと焙煎。ある程度の火力がないと適切な化学反応が起きないし、ハゼも起こりません。
2分くらいで1ハゼが終了します。
③2ハゼ
2ハゼ開始は、10分〜12分目くらいです。
火力が強いと、1ハゼと2ハゼが繋がってしまうので注意してください。
ムラを無くすコツ
「焼き上がる1分前くらいに、火力を少し弱める」これがムラを抑えるコツです。
たとえば2ハゼのピークで煎り止めしようと考えているならば、2ハゼが始まったら火力を少し弱める、といった具合です。
焙煎の最後で加える熱を少し抑えると、
- ムラになりにくい
- その為、味がクリアに
- 組織が壊れにくく、風味が長持ちする
このような効果が期待できます。
ただし、ムラがあっても十分美味しいです。最初はあまり気にしなくても良いと思います。上記の写真程度のムラであれば、十分に許容範囲内です。
焙煎のlevelと煎り止めのタイミング
煎り止めのタイミングです。参考までに。
シナモンロースト | 1ハゼピークくらい |
---|---|
ミディアムロースト | 1ハゼ終了くらい |
ハイロースト | 1ハゼ終了〜2ハゼ開始の中間 |
シティロースト | 2ハゼ開始くらい |
フルシティロースト | 2ハゼピークくらい |
フレンチロースト | 2ハゼ終盤くらい |
イタリアンロースト | 2ハゼ終了くらい |
まとめ コーヒー豆 焙煎の時間について考える
コーヒー豆の焙煎時間は、バランスを考えることが重要です。
カンタンにコーヒー豆の焙煎時間の考え方をまとめると、
「焙煎時間はできるだけ短く、でもムラはできない程度に。」
そして自宅焙煎のコツを加えるならば、
- 蒸らし(水抜き)はしっかり時間をとる
- 煎り止めの1分前に火力を弱める
- トータルの焙煎の目安は10分〜12分程度
こんな感じです。
最初に書きましたが、個人的にはあまり時間にとらわれなくて良いと思います。
焙煎時間が短か過ぎて、ムラになり、味が濁ったところで大丈夫です。
濁る=不味い、ではありません。むしろ濁ったことでボディが感じやすく、その味を好む人もいるでしょう。
逆に焙煎時間が長過ぎて、風味が薄くなっても大丈夫。
その分、少しだけ豆の量を多めに使って抽出すればいいし、そもそもあっさりした味を好む方も多いです。
最初はあまり難しく考えることはありません。焙煎時間の調節は、慣れてきたら考えてもいいかな、って程度のものです。
気楽に楽しみましょう。
今日はこんな感じです。
ありがとうございました!
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