突然ですが、ブルーボトルコーヒーのコーヒーって、評判悪くないですか?
私の周りでも、頻繁にまずいって聞きます。
お店のお客様からも、そのような声を聞きます(ガチ)。
ネット上にもそんな口コミがあったりします。
でも、その逆も聞くことがあります。
美味しいと。
この真っ二つに激しく分かれる評判は、他のコーヒー店には無いものかと思います。
その原因は何なのか?
まずいと言われつつも、これだけ人気なのは何故なのか?
記事の後半では、ブルーボトルのビジネス的な側面にもフォーカスしてみました。
ブルーボトルコーヒーとは?
ブルーボトルコーヒーとは、サンフランシスコに本社のある、サードウェーブ系のアイコンのようなコーヒーチェーンです。
創業者のジェームス・フリーマン氏が日本の喫茶店好きなことは有名です。
その影響もあって日本進出前から日本のコーヒー雑誌で特集が組まれました。
なので、以前から非常に注目度が高いお店でした。
そんなブルーボトルの特徴は、
- コーヒーの華やかな果実味を生かした味作り、
- 1杯1杯丁寧に淹れるハンドドリップ、
- 開放感のあるお店作り、
です。
国内で急速に拡大しており、現在24店舗となっています。
ブルーボトルコーヒーは本当にまずい?ブレンドを飲んでみた。
そんなブルーボトルコーヒーですが、味の評価が激しく分かれることで有名(?)です。
美味しい!
と感動する人もいれば、
まずい!飲めたもんじゃない!
と拒否感いっぱいの人も。
そこで、実際に飲んでみました。
ブルーボトルに行ってブレンドを飲んでみた。
今回行ったのは、六本木店です。
ブレンドを飲んでみました。
実飲!
イメージと違う・・・。
ブルーボトルの味って、もっと酸っぱい印象がありました。
でも、今回のはとてもバランスがとれている味。
ほどよい苦味。
ほどよい酸味。
ほどよいコク。
飲みやすいです。
もっと尖った味じゃなかったっけ?
日本進出当初とは味付けが変わった説
実は、私は日本進出当初からブルーボトルに行ってますし、その後も色々な店を利用させてもらってます。
なので、これがはじめてというワケではないんですね。
当時の印象としては、とにかく酸っぱい!
コーヒーの華やかな酸味を凝縮して強調し過ぎて、限界突破して、結果的に醤油っぽい味になってしまった、という味の記憶がありますw
ただ、今回飲んだブレンドは、普通に美味しい。
これって、日本市場向けに味を変化させているのではないでしょうか?
ブルーボトルも日本で20店舗以上展開し、ノウハウやフィードバックが貯まってきているんでしょうね。
創業者の影響力が弱まっている、ということもあるかもしれません。
同業者としては、そのまま酸っぱい味でいってくれてた方が助かったのに・・・、という感じw
- 以前、ブルーボトルを飲んだ人は、その酸味の強さから「まずい」。
- 最近、飲んだ人は、バランスが取れてる風味なので「美味しい」。
こんな感じになっているのかもしれませんね。
ブルーボトルの真っ二つに分かれる評判は、ブルーボトル自身の味の変化が原因だった、
かもしれません。
ブルーボトルコーヒーの口コミ・評判は?
ネット上からブルーボトルコーヒーの口コミをざっと拾ってみました。
昼コーヒー
ブルーボトルコーヒーのカフェラテいただいてきました。ミルクまろやかさと滑らかな質感、雑味の感じない甘さですごい飲みやすいんだけど、ミルクがあっさり目だからあまり味がしつこくなくてちょうどいい。#ブルーボトルコーヒー#bluebottlecoffee pic.twitter.com/ldSiIHAgRU— 岳人 (@take_0912coffee) December 22, 2021
清澄庭園からのブルーボトルコーヒー
ブルーボトル、オープンしてすぐに行った時よりも焙煎上手くなってて美味しかった pic.twitter.com/aATpHZSuId— こー (@Baisenki) December 5, 2021
こんな感じで、「味がよくなってる」という感想も。
焙煎が上手くなったのではなく、最近は意識的に焙煎レベルを深く調節したのかと思います。
ネット上の口コミや、私の周囲の反応から見えた傾向としては、
若い人はブルーボトル支持派が多く
年齢層が上になるにつれてアンチが多くなる
というものです。
これは2つ原因が考えられるかと思います。
- 年齢が若い人は酸味系のコーヒーを美味しく感じ、年配の人は嫌う傾向がある
- 以前のブルーボトルの酸っぱいコーヒーを飲んで、それ以来飲んでいない人が多い
第一印象って、大事ですよね・・・
ブルーボトルコーヒーのおすすめコーヒー豆
と、言うワケでブルーボトルコーヒーのおすすめのコーヒー豆は、ブレンドです。
下手にシングルオリジンにいってしまうと、けっこうクセの強い豆が多いので。
酸味強めが多いんですよね。
マニアならいいと思いますが、ライトなコーヒー好きな方は、ブレンドが無難です。
Amazon・楽天でも買えます。
ブルーボトルコーヒーの人気の秘密
ブルーボトルの人気の秘密に迫ります。
あれだけ成功しているコーヒーチェーンなので、私が語るのもおこがましい話なんですがw
ブルーボトルの特徴は、
- おしゃれな外観と内装、広々として贅沢に使った空間
- ハンドドリップでの丁寧な抽出
- 品質の良いコーヒー
と、思われているかと思います。
ただし、ビジネス的にみると大きな特徴がまたひとつ見えます。
「小規模チェーン店の割に圧倒的な知名度」
です。
2022年現在のブルーボトルは24店舗。
同じような規模のチェーンとしては、やなか珈琲(約30店舗)が挙げられます。
ですが、知名度で言えばブルーボトルの圧勝。
その圧倒的な認知度の割に店舗が少なく、そのギャップが希少性を生んでおり価値が生まれています。
ブルーボトルはコーヒー界のハイブランド
ブルーボトルは、内装の雰囲気からアップルに例える人が多いですけど、違います。
一番近い例えは、DEAN&DELUCAかと思います。
食料品店の高級店。
つまり、ブルーボトルはコーヒー界のハイブランドなんです。
DEAN&DELUCAは現在50店舗近くあるので、ブルーボトルもそのくらいは拡大するかもですね。
ただ、そこから先100店舗以上にできるかというと、少し厳しいかもしれません。
希少性がなくなり、一番の武器であるハイブランドとしての価値がなくなってしまうからです。
ブルーボトルをハイブランドたらしめるものとは
私が思う要因は、
- ストーリー
- 癒着
この2つかと。
ストーリーというのは、ブルーボトル自身が語る「コーヒーのサステナビリティ」とかのキレイな物語ではありません。
そうではなく、もっと生々しいものです。
それは、
「創業者のジェームス・フリーマンが日本の伝統的な喫茶店文化に感銘を受け、その影響をもとにブルーボトルを作り上げた」
という物語。
要は、
「日本ていいよね。アメリカのイケてるコーヒー屋さんにも影響与えちゃったよ」
ということ。
これが、とある層に強烈な刺激を与えました。
どちらの層かというと
日本の喫茶店文化クラスター、
つまり、カフェ雑誌の編集者たちです。
彼らは熱狂しました。
もしかしたら、本当の熱狂ではなく「これは金になる」というビジネス的な熱狂だったかもしれません。
ともかく、結果として、ちょっと異常なほどの盛り上がりになりました。
ブルーボトルが日本に進出する1年以上前から、特集が何回も組まれる始末。
以前、第2次コーヒーブーム(セカンドウェーブ)のスタバの成功があったことも大きかったと思います。
ブルーボトルは第3次コーヒーブーム(サードウェーブ)の象徴に祭り上げられました。
そんなわけで、
- 日本文化いいよね、という心地よいストーリーと
- 雑誌との癒着(良い意味です)
があって、ブルーボトルコーヒーはサードウェーブ時代のアイコンとなり、その圧倒的な知名度からハイブランド化しました。
ブルーボトルが私たちに教えてくれたこと
そんなブルーボトルから我々は何を学ぶことができるでしょうか?
結論から言えば、
- ストーリーは大きな力になること
- そのストーリーは綺麗で崇高なものではなく、耳障りが良くて感情に心地よい、生々しいものが良い
こんなところかもしれません。
ブルーボトルのビジネスを、今から私たちが丸々パクると、次のようなものになります。
- 台湾のお茶文化にインスパイアされた(ということにする)、コーヒーショップを東京で創業。
- 台湾の雑誌社に連絡をとり、そのストーリーとともに台湾に進出することを伝える。
- 台湾の雑誌で特集を組んでもらう。もし組まれなかったら、お金を払ってでも組んでもらう。
- 台湾進出。フィーバー。
台湾じゃなくて、タイとかでも良いのですが、親日国のアジア圏が良いかと思います。
こんなことできる人いたら、ビジネスマンとして超優秀ですよね。
日本のコーヒー界から、そんな人が出てくることを楽しみにしたいと思います。
(お前がやれよ、との声が聞こえてきそうですがw)
ともかく、
ブルーボトルからは
「人の潜在的な欲求に刺さるストーリーの威力」
を学ぶことができました。
現代は物を売るときにストーリーが大事、ということは多くの人が知っています。
ただし、コーヒー屋にありがちなストーリーとしては、
- 生産国の人々の生活の向上のために
- 生産国の環境保全のために
- 本当に美味しいコーヒーの追求
- 自分らしく生きるためのカフェ開業
こんな感じでしょうか。
美しいですが、味気ないものが多いです。
そうではなくて、人を本当に動かす力のあるストーリーとは、もっと生々しいものだったんです。
そのお店が存在するだけで、ある層の人々の自己肯定感が上がるようなもの。
例えば、
- 群馬県の赤城牛乳に感動した
- これなら最高のラテが作れるとひらめく
- 東京でコーヒースタンド開業・赤城牛乳ラテを発売
- 群馬TV・上毛新聞でとりあげてもらう
- 群馬に凱旋出店
- 群馬でフィーバー
これならば、小規模に、個人でやることが可能です。
県ブランド力が全国最下位である(笑)群馬の人々の、自己肯定感を満たしてあげるんです。
赤城牛乳ラテとともに、焼きまんじゅうを発売しても良いかもですねw
そんなわけで、
ストーリーについて色々と考えさせられた、ブルーボトルコーヒーでした。
今日の記事はこんな感じです。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。