はじめに:コーヒーの「おいしさ」ってなんだろう?

今日のテーマはコーヒーの「価値」についてです。私たちが日々楽しんでいるコーヒー。
その「おいしさ」は一体どのように評価され、その価値はどのように決められているのでしょうか?
これまで、スペシャルティコーヒーの品質評価において、カッピングは非常に重要な役割を果たしてきました。
しかし、時代とともにコーヒーの世界は大きく変化し、従来の評価方法だけでは捉えきれない多種多様な価値が生まれています。
そこで登場したのが、スペシャルティコーヒー協会(SCA)が提唱する新しいコーヒー評価システム「CVA(Coffee Value Assessment)」です。
CVAは、単なる「味」の評価を超え、コーヒーが持つあらゆる「価値」を包括的に捉えようとする画期的なシステムです。
カッピングの誕生とスペシャルティコーヒーの夜明け:コーヒー評価の第一歩

当時のコーヒーの品質は主に豆のサイズなどの「物理的な属性」で判断されていましたが、小さい豆の中にも優れた風味を持つコーヒーがあることが発見されたのです。
これが、後に「カッピング」として知られるようになるコーヒーテイスティングの始まりでした。
初期のカッピングは主に生豆のトレーダーや焙煎業者に限定されていました。
しかし、1970年代半ばにスペシャルティコーヒー運動が台頭すると、その重要性が再認識されます。
1984年、テッド・リングル氏による「The Coffee Cupper’s Handbook」が出版され、コーヒーの感覚分析に大きな変革がもたらされます。この本によって、コーヒーテイスティングは感覚科学の知見を取り入れ、体系的で厳密な手法が確立しました。
そしてこれが、1999年にSCA(Specialty Coffee Association of America、アメリカのスペシャルティコーヒー協会)によって最初のカッピングプロトコルとスコアリングシステムとして公式に採用されることになります。
このシステムは、ワイン業界の100点満点評価システムに触発され、多項目評価フォームと数学的スコアリングモデルを用いてコーヒーの品質を定量化しようとするものでした。
2004年カッピングプロトコルの功績と限界:なぜ「進化」が必要だったのか
2004年に発表されたSCAカッピングシステムは、瞬く間に世界中で業界標準として認知され、多くの関係者によって利用されてきました。
このシステムは、スペシャルティとコマーシャルのグレードを区別するために設計され、コーヒーの品質を評価するための共通言語として機能し、世界中に普及していきました。
「単一の数値スコア」への過度な依存
2004年のカッピングプロトコルでは、最終的に算出されるひとつの数値スコアが、コーヒーの品質と価値を決定する主要な指標となっていました。
コーヒーの生豆を仕入れるときによく見る、80〜85点くらいの、あのカッピングスコアです。
しかし、このスコアだけでは、そのコーヒーが持つ多様な魅力や、生産背景に関する情報が十分に伝わらないという問題がありました。
例えば、同じ85点のコーヒーでも、
・その風味
・生産者のストーリー
・その豆が持つブランド力
などは大きく価値が異なる可能性があります。
「客観性」と「主観性」の混同
また、従来のシステムでは、風味の強度(客観的な記述)と品質の印象(主観的な評価)が混在してました。
カッパーの間では、「このフォームは客観的か、主観的か」という意見の相違が見られました。
そして感覚科学の進歩により、「これらは本来、別々の感覚テストとして扱うべきである」ということが共通認識になっていきました。
「付帯的属性」の評価不足
従来のシステムでは、コーヒーの物理的な属性や感覚的な属性(風味、香りなど)が主に評価されていました。
しかし、近年のコーヒー市場では、
・原産地情報
・加工方法
・認証情報
・生産者のストーリー
といった「付帯的属性(外在的属性)」が、コーヒーの価値を大きく左右するようになっています。
2004年のカッピングフォームでは、これらの情報は「カッピングノート」の小さなスペースに追いやられ、その重要性が十分に反映されていませんでした。
外因的、外在的、非本質的な、という意味があります。
評価尺度の幅の狭さ
2004年のプロトコルでは、ほとんどのコーヒーが80点から88点の範囲に収まってしまってました。
100点満点というスケールにも関わらず、その利用範囲が狭いという課題があったんです。
SCAは、これらの課題を解決し、より包括的で透明性の高いコーヒー評価システムを構築するため、2020年から長期的なプロジェクトに着手しました。
広範な調査とユーザーからのフィードバックに基づき、2004年のカッピングプロトコルを「コーヒー価値評価システム」へと進化させる必要性に迫られたんです。
従来のカッピングとCVAの決定的な違いとは?比較で見る評価の進化
この比較を通じて、CVAがコーヒーの価値評価をどのように進化させたのかがより分かりやすくなります。
評価項目 | 従来のSCAカッピングプロトコル(2004年版) | SCA Coffee Value Assessment (CVA) |
---|---|---|
目的 | スペシャルティコーヒーの品質を数値で評価し、区別する。 | コーヒーの持つあらゆる「価値ある属性」を包括的に評価し、価値発見を支援する。 |
評価範囲 | 主に感覚的な属性(風味、香りなど)に焦点。 | 物理的、記述的、情動的、外在的属性の4つの評価から構成。 |
単一スコアへの依存度 | 高い。単一の数値スコアがコーヒーの価値を代表する。 | スコアは「情動的評価」の一部であり、多くの属性の一つに過ぎない。 |
客観性 vs 主観性 | 記述と情動が混在し、一部で混同が見られた。 | 記述的評価(客観的)と情動的評価(主観的)を明確に分離。 |
外在的属性の扱い | 「カッピングノート」に限定的に記述される程度。 | 専用の「外在的評価」で詳細に記録。 |
スコアの計算 | フォーム上で手動計算が一般的。 | 複雑な計算式により、スプレッドシートやアプリでの算出を推奨。 |
スコアの範囲 | 多くのコーヒーが80~88点に集中し、範囲が狭い。 | 9点スケールを導入し、より広範なスコア分布を可能に。低スコア帯も明確化。 |
バランス・クリーンカップ | 専用の項目として評価された。 | 「情動的評価」の「総合評価(Overall)」に統合、または他のセクションで評価。 |
甘味の評価 | スケールでの評価が不明確な場合があった。 | 9点スケールで明確に評価する項目として設定。 |
均一性(Uniformity) | ロットの均一性を評価する。 | 欠点豆の有無とは別に、カップ間の質的な違いを評価。 |
キャリブレーション | カッパー間の「キャリブレーション(調整)」が重視された。 | 「アラインメント(整合性)」という概念に再定義。客観的な記述の整合性と、主観的な好みの多様性を尊重。 |
バイアスの回避 | 意図せず情報によるバイアスが生じる可能性があった。 | 評価タイプごとに情報を秘匿・分離し、バイアスを最小化。 |
この比較からわかるように、CVAは単に既存のカッピングを修正しただけではありません。
感覚科学の最新の知見と、コーヒー市場の進化するニーズを反映し、評価の「システム」全体を再構築したものになったのです。
それに対してCVAは「このコーヒーが持つ、買い手にとって価値あるものは何か?」という、より広範な問いに答えることを目指しています。
ロースターにとっては、より「リアル」で、より「使える」評価システムに進化しました。
CVA(Coffee Value Assessment)とは?4つの評価でコーヒーの価値を「見える化」
CVAは、コーヒーの価値をより「ホリスティック(包括的)」に捉えることを目的とした新しい評価システムです。
従来のカッピングの知見を土台としますが、コーヒーが持つあらゆる属性を考慮し、コーヒーの価値を多角的に分析することを目的としています。
そのために、以下の4つの独立した評価を行います。
①物理的評価 (Physical Assessment)
生豆の物理的な特性を客観的に評価します。
・色
・欠点豆の有無
・水分含有量
・豆のサイズ
などが含まれます。
この評価は、カッパーにバイアスがかからないように、感覚評価とは別に実施されるべきとされています。
現在、この評価はアラビカ種のウォッシュドコーヒーに限定されていますが、将来的に他の加工方法や品種にも適用範囲が広がる可能性があります。
【物理的評価の評価項目】
- 色 (Color):
- 物理的欠点 (Physical Defects):
- 水分含有量 (Capacitive Determination of Moisture):
- 豆のサイズ (Bean Size):
黒いマットを背景に、Defect Guideのカラーガイドと目視で比較し、青緑、青みがかった緑、緑、緑がかった黄色、淡黄色、黄色がかった、または茶色がかったものに分類します。
350gの生豆サンプルを目視で検査し、欠点豆の種類と量をDefect Guideに基づいて記録します。
カテゴリー1とカテゴリー2の欠点に分けられ、それぞれに定められたやり方で「欠点換算値」が算出されます。
水分計を使用し、生豆の水分含有量を測定します。
ISO6673に準拠して校正された機器を使用し、3~5回の測定を行います。
ふるい分け法を用いて、豆のサイズ分布を測定します。
特定のメッシュサイズを通過する豆の質量をパーセンテージで記録します。
②記述的評価 (Descriptive Assessment)
コーヒーの感覚的な属性を客観的にプロファイリングし、特徴付けを行います。
これは「このコーヒーはどんな味がするのか?」という問いに答えるものです。
従来のスコアリングとは異なり、セクションごとに、その強度を15段階のスケールで評価します。
また風味特性を「Check-All-That-Apply (CATA、該当するものすべてにチェック)」リストから選択します。
さらに自由に記述するスペースも設けられています。
【記述的評価の評価項目】
- フラグランス (Fragrance):
- アロマ (Aroma):
- フレーバー (Flavor):
- アフターテイスト (Aftertaste):
- 酸味 (Acidity):
- 甘味 (Sweetness):
- マウスフィール (Mouthfeel):
抽出前のドライな状態で、コーヒーの粉の香り(嗅覚的な知覚)を評価します。
抽出後のコーヒーの香り(嗅覚的な知覚)を、クラストを崩す前と崩す際の2つのタイミングで評価します。
口の中で感じる味覚とレトロネーザル(鼻腔後方から感じる)嗅覚の複合的な知覚です。
コーヒーを吐き出した後や飲み込んだ後に、口や喉に残る味覚とレトロネーザル嗅覚の複合的な知覚です。
コーヒーによって引き起こされる酸っぱい味覚の知覚で、その強度と特性を評価します。
コーヒーによって引き起こされる甘味の味覚またはレトロネーザル知覚を評価します。
口の中で感じるコーヒーの触覚的な知覚で、重さ(粘度)、質感、収斂性(しゅうれんせい)などが含まれます。
記述的評価は、カッパーが客観的な情報を提供できるよう、コーヒーに関する識別情報(産地など)を一切与えずに実施されます。
これにより、カッパーはバイアスなく純粋な感覚特性に集中することができます。
③情緒的評価 (Affective Assessment)
Affectiveとは、感情的・情動的・情緒的、という意味です。
ここでは、情緒的と訳します。
情緒的評価では、カッパーの品質に対する主観的な印象や好みを記録します。
「このコーヒーのことを、どれくらい好きか?」
という主観的な問いをも含むものです。
個々のカッピングセクション、そしてコーヒー全体に対する「品質の印象(Impression of Quality)」を9点満点のスケールで評価します。
この9点スケールは、食品科学で広く使用されているツールであり、「非常に低い印象(1)」から「非常に高い印象(9)」まで、より広い評価範囲を可能にします。
【情緒的評価の評価項目】
- 品質の印象 (Impression of Quality):
- 欠点と均一性 (Defects and Uniformity):
コーヒーのカッピングセクションの特異性と好ましさに対するカッパーの意見を反映します。
これは自身の好み、または自身の顧客(市場)の好みを反映するものです。
感覚的な欠点(ポテト臭、カビ臭、フェノール臭など)が検出されたカップの数と、その欠点の種類を記録します。
また、ロットの均一性を示す指標として、カップ間の風味の質的な違いを評価する「均一性(Uniformity)」の項目が含まれます。
この情緒的評価は、コーヒーの「スコア」を算出するための基盤となります。
CVAの新しいスコア計算式は、情緒的評価の9点スケールで計算されます。
そしてそれは、従来のカッピングより広い範囲でスコアが分布するように設計されています。
④付帯的評価 (Extrinsic Assessment)
コーヒーの物理的・情緒的情報以外に、その価値を高める情報的または象徴的な属性を記録します。
これには、
・原産地
・生産者情報
・加工方法の詳細
・認証情報
・グレード
さらにはコーヒーの「ストーリー」などが含まれます。
これらの付帯的属性は、消費者の購買意欲や、カッパーの感覚知覚にも影響を与えることが研究で示されており、非常に重要な情報とされています。
この付帯的属性の重視も、従来のカッピングとは大きく異なるポイントです。
【付帯的評価の評価項目】
- 農業情報 (Farming Information):
- 加工情報 (Processing Information):
- 取引情報 (Trading Information):
- 認証情報 (Certification Information):
- その他 (Others):
原産国、地域、農園名、生産者名、品種、収穫日/年など、コーヒーがどこで、誰によって、どのように栽培されたかに関する情報です。
プロセッサー名、ウェットミル/加工ステーション、ドライミル、加工タイプ(ウォッシュド、ナチュラルなど)といった、コーヒー豆がどのように加工されたかに関する情報です。
発酵の種類や、加工中に加えられた微生物スターターやフレーバリング剤なども記録できます。
サイズ、その他のグレード(EP, SHG, SHBなど)、ICOナンバー、取引モデル(ダイレクトトレードなど)、農場渡し価格(Farmgate price)、FOB価格、価格プレミアムなど、コーヒーの取引に関する情報です。
4C、フェアトレード、オーガニック、レインフォレスト・アライアンスなどの第三者認証や、企業独自の認証、地理的表示など、コーヒーが取得している認証に関する情報です。
上記のカテゴリに分類されない、コーヒーの価値を高める個人的な情報や物語など、あらゆる付帯的属性を自由に記述できます。
これらの評価は、それぞれ独立して行われることがSCAによって強く推奨されています。
特に、物理的評価や付帯的評価の情報は、カッパーが感覚評価を行う際にバイアスをかけないよう、感覚評価とは別に、かつ情報を隠して実施する必要があります。
評価されたコーヒーを、買い手が求める価値と比較することで、売り手と買い手の双方にとって意味のある価値発見を後押しするツールとなります。
CVAがもたらすコーヒー業界の未来:より公平で、より豊かなコーヒーの世界へ
CVAの導入は、コーヒー業界に多くのポジティブな変化をもたらすと期待されています。
- 透明性と公平性の向上
- コミュニケーションの共通言語化
- 「好み」の多様性の受容
- イノベーションの促進
従来の単一スコアに依存する評価では、コーヒーの持つ複雑な価値が十分に伝わらず、生産者の努力が見過ごされることもありました。
また、市場のニーズもスコアに反映されず、「ロースターや消費者にとっての価値」からは、少し距離のあるスコアリングでした。
CVAは、物理的、感覚的、そして情報的な側面からコーヒーの価値を「見える化」することで、より包括的な評価を可能にしています。
これにより、生産者は自身のコーヒーが持つユニークな属性をより正確に伝えられるようになりました。
また逆に買い手は、求める属性を持つコーヒーをより発見しやすくなります。
これは、サプライチェーン全体における透明性と公平性を高めることに繋がります。
CVAは、コーヒーの価値を記述するための共通言語を提供します。
これまで、カッピングノートはカッパーによって記述方法が異なり、情報が体系化されていませんでした。
CVAの記述的評価では、標準化された記述子と強度の評価を使用します。
これはサプライチェーン全体でプロファイルを一貫して伝えることが可能にしました。
生産者から消費者まで、コーヒーに関わる全ての人が同じ言葉でコーヒーについて語り合えるようになります。
情緒的評価では、カッパー自身の好みや、顧客(市場)の好みを反映した「印象」を評価します。
これは、コーヒーの価値が「客観的な事実」だけでなく、「主観的な好み」によっても形成されることを明確に打ち出したものです。
これにより、特定の風味プロファイルが「優れている」と一律に判断されるのではなく、多様な市場のニーズや個人の好みに応じたコーヒーの価値を尊重する文化が育まれるでしょう。
自身の好みが多様な好みの一つであると理解し、より自由に評価を行えるようになります。
CVAの付帯的評価は、加工方法や栽培方法における新しい取り組み、さらには生産者のストーリーといった「情報」が、コーヒーの価値にどう影響するかをデータとして蓄積することを可能にします。
これにより、
例えば特定の加工方法がコーヒーの風味にどのような影響を与えるのか
あるいは特定の認証が市場価値にどう寄与するのか、
といった具体的な知見が得られるようになります。
これは、生産者が新たな価値を創造し、イノベーションを追求するためモチベーションになるでことしょう。
色々なターゲットや市場を想定し、それぞれにフィットした評価をすることもできます。
CVAの取得方法:国内で受講できるのはどこ?
2025年現在、
東京のSNOW BEANS COFFEEさん、
または
大阪の珈琲専門店はま珈琲さん、
にて開講されることがあります。
講座は2日間です。
CVAが目指すコーヒー評価の方法をみっちり学びます。
そして、2日目の終わりには実技テスト。
教わった方法にてテイスティングを行い、実際に評価をしていきます。
そして、後日にオンラインにて筆記テスト。
ここれ80%以上の正答率を獲得すれば、晴れて合格!です。
受講料は、今後変動するかもしれませんが、
5〜6万円くらいです。
はま珈琲さんの開催情報は、こちらをご覧ください。
ちなみに、申し込む時にはSCAのアカウントを作ることになります。
CVAを取得してみた【体験談】

今回申し込みさせていただいたのは、ハマ珈琲さん主催の回です。
講師は、シンガポーリアンのショーン氏。
オープンマインドのナイスガイです。
場所は、東京都東久留米市の「Tokyo Coffee Roastery Cafe」。
とても素敵なロースタリーカフェでした。
このように、大阪のハマ珈琲さんでも東京開催の回があったりするようです。
当日は、YouTubeでお見かけする、あのハマさんもいらっしゃいました。
Tokyo Coffee Roastery Cafeの方が通訳をやってくれまして、英語がしゃべれない私でも問題ありませんでした。
カッピングの歴史から、
それぞれの評価方法、
そして実際にカッピングをして、CVAの評価の実践。
2日間、みっちりの講義でした。
2日目の終わりには実技テスト。
CVAを理解して、そのやり方でコーヒーの評価ができるか?が問われます。
正確な点数付けや、フレーバーの正確な感じ取り方(センサリー)は、あまり問われません。
どちらかというと、CVAのシステムを理解しているかどうか、に重きがおかれてました。
講義を真面目に聞いていれば、問題なく受かると思います。
実技テストを持って、2日間の講座は終了となります。
しかし、これで終了ではありません。
後日、オンラインでの筆記テストが待っています。
選択式のテストなのですが、ここで80%以上の正答率を取らないと合格となりません。
これが、結構難しかったです。
というのも、日本語に対応してないからです。
Google翻訳、またはDeepLを駆使しつつ、テストを受けることになります。
制限時間も30分と限られ、その中で英語を翻訳しつつやるのは、なかなかしんどいです。
事前準備は、CVAのプロトコルが解説されたテキストを読んでおけばOK。
・・・ですが、これも英語です。
今は翻訳が容易になったからといっても、機械翻訳された文章はまだまだ難解です。
難解な文章の教材を読み、難解な文章のテストを受ける・・・。
私には、かなりハードルが高いように感じられました。
しかも、最初は勉強せずに受けたので、普通に落ちました。
しかし救済措置があり、2回までは受けることができます。
私はすぐに2回目にチャレンジしましたが、また落ちましたw
ここでオワタと思ったのですが、救済処置のさらに救済措置がありました。
追加料金を払えば、またテストを受けることができたんです。
そこで私は、ちゃんと事前勉強をすることにしまして、教材をしっかり読みました。
AIの力を借りつつ、なるべく質の良い日本語に翻訳して、自分なりにまとめました。
そこで再チャレンジしたところ、90%以上の正答率となりまして、やっと合格することができました。
合格すると、こんな証明書が発行されます。
オンライン試験、なかなかのハードルでした。
これから試験を受けられる方には、良い予習となるような内容になっているかと思います。
CVAの導入と今後の展望:あなたも「価値評価」の最前線へ
SCAは、2024年から2025年にかけて、CVAの各評価をSCA標準として正式に採択する予定です。
現在は「仮標準(Provisional Standard)」の段階であり、業界からのフィードバックを取り入れながら、さらなる改良が進められています。
コーヒー業界に関わるすべての人にとって、CVAは新たな学びと成長の機会となるでしょう。
特に、コーヒーショップを開業したいと考えている皆さんにとっては、CVAを理解し、活用することは、自身のビジネスで提供するコーヒーの価値を最大限に引き出し、顧客にその魅力を伝えるための強力な武器となります。
CVAについてもっと深く学びたい方は、SCAが提供する様々な機会を活用することをお勧めします。
- CVA Early Adopterプログラムへの参加:
- SCAのトレードショーやコミュニティイベントへの参加:
- CVA Course for Cuppersへの参加:
- CVA Patronプログラムへの貢献:
最新情報や資料をいち早く入手し、イベントやプログラムの情報を知ることができます。
CVAに関するレクチャーやワークショップを通じて、実践的なスキルと理論を学ぶことができます。
経験豊富なカッパー向けに、新しいカッピングプロトコルと評価システムを導入するインタラクティブなセッションが開催されています。
SCAとCoffee Science FoundationによるCVAの研究開発を支援し、様々な特典を受けることができます。
コーヒーは単なる飲み物ではありません。
それは、生産者の努力、地域の風土、そして複雑な加工プロセスを経て生まれる、豊かな物語を秘めた一杯です。
CVAは、その物語をより深く、より多面的に理解し、その価値をお客様に伝えるための新しい羅針盤となるでしょう。
ありがとうございました。
CVAに興味のある方は、是非ハマ珈琲さんのHPをチェックしてみてください!