どうやって保管すればいいの?
コーヒー生豆の保存期間・保管方法
コーヒーの生豆は、上手にやれば長期保存が可能です。
一般的に、短期間の保存は風味に良い影響があるとされ、味がまろやかになったり焙煎に良い影響があると言われています。
長期的な保存では、徐々に風味が抜けていき個性が無くなります。
しかし、人によっては数年〜数十年保管して、エイジングを楽しむ方もいます。
通常であれば1〜2年程度は風味が保たれます。この場合、1〜2年というのは収穫からの期間を指します。生豆を買ったときから1〜2年ではありません。
なままめ、と読みます。
コーヒーの実の種を乾燥させたものです。一般的に脱穀された状態で、植えても芽は出てきません。焙煎して熱を加えることによって茶色く変化し、おなじみのコーヒーの状態になります。
コーヒー生豆の保存・保管方法について
コーヒー商社は、輸入された生豆を定温倉庫にて保管します。温度は年間を通して15℃に固定されます。家庭でもこれに近い状態を作ることが望ましいです。
コーヒー生豆の保存方法
家のなかで、温度が比較的安定した冷暗所にて保存します。
冷蔵は避けた方が無難です。
冷蔵庫内の温度変化や、他の食材のニオイなど悪影響が考えられます。
生豆の保存で一番大切なのは、「安定させて刺激を与えないこと」です。
コーヒー生豆保管容器について
以前は麻袋に入れてのコーヒー生豆の保管が一般的でしたが、近年はグレインプロと呼ばれるビニールに入れることが推奨されています。
コーヒー豆に含まれる水分を保ち乾燥させない、また、外気の湿度変化の影響を遮断する効果もあります。
このことから、コーヒー生豆の保存は密閉できる容器(できれば光も遮断するもの)が望ましいです。
缶や厚めのビニール袋(ジップロックなど)での保存が良いでしょう。
コーヒー生豆、冷凍保存は?
コーヒーは少なくとも1年は常温で風味が保たれますので、あえて冷凍する意味は少ないです。
解凍時に豆が劣化することによって、焙煎への悪影響も大きいです。
ただし数年単位の超長期保存をするのであれば、冷凍保存を考えても良いでしょう。
コーヒー生豆保存、真空パックは?
近年は生産地にて真空パックされ、輸入されるコーヒー生豆も増えてきております。
やはり品質は素晴らしく、香りが違います。
なかなか家庭での真空パックは難しいですが、空気との接触をできるだけ避けられるようにした方が、保存には良いかと思います。
コーヒー生豆の保存期間について
コーヒーの生豆の保存期間は、明確な基準がありません。
安定した状態で保管すれば、1年半程度であれば風味は保たれます。
収穫されてから日本に輸入され市場に流通するまで、約半年かかります。
このときが風味のピークですが、少し時間をおいた方が味に良い影響が出る場合もあります。
徐々に風味は抜けていきますが、数年〜数十年の保存も可能です。
ただし、カビやムシには注意が必要です。
コーヒー生豆の賞味期限
コーヒー生豆の賞味期限は特にありません。
コーヒーの種類にもよりますが、最初は水分を含有して緑色がかった生豆でも、長期保存によって水分が抜けて黄色っぽく変色していきます。
色の変化とともに風味や個性も失われ、風味もワラっぽい枯れた味になっていきます。
このあたりが味の賞味期限と言うこともできます。
良い保存状態を保ったとしても、収穫されてから2年程度が風味や個性を保つ限度です。
その為、生豆を購入する場合には、できれば日本に入港された時期の確認をしたいところです。
保存期間別コーヒーの生豆の呼び方
コーヒー生豆はクロップと呼ばれ、収穫後の経過によって一般的に4つの呼び方があります。
ニュークロップ
今年度に収穫された新しいコーヒー豆。年度の終盤には次年度産のものを指すことになります。
カレントクロップ
今年度に生産されたコーヒー豆。ニュークロップより少し時間が経過したものを指します。
コーヒー豆の収穫時期は長く、また年に2回収穫される地域もある為、ニュークロップ・カレントクロップが使い分けられます。
パストクロップ
前年度に収穫されたコーヒー豆。ここまでは普通に流通しています。
オールドクロップ
前年度以前収穫されたコーヒー豆。まれに普通に売ってくる商社もいるので注意。
ざっくりとですが、
- 北半球の産地は10〜3月
- 南半球の産地は4〜9月
- 赤道直下の産地は年2回収穫
(グアテマラ・カリブ海諸国など)
(ブラジルなど)
(コロンビア・インドネシア・タンザニアなど)
こんな感じです。ここから約半年をかけて日本に入港してきます。赤道直下の産地は、正直、一年中入港してくるイメージがあります。笑
コーヒー生豆の劣化する要因
コーヒー生豆の劣化する要因は、4つあります。
- 空気
- 水分
- 温度
- 光
以上の4つがコーヒー生豆の保存の敵となります。
一番の敵は空気です。
空気による酸化と乾燥が、コーヒー生豆に与える悪影響が大きいです。
また、温度変化が激しいと豆が痛む原因になりますし、光、特に紫外線は豆を速く劣化させます。
これらの劣化する要因を、できるだけカットできる保存容器・保管場所にて、コーヒー生豆は保存するようにしましょう。
コーヒーの生豆の保存に適した容れ物
コーヒー生豆の保存に適した容れ物ですが、
- コーヒー豆の乾燥を防いで
- 光も遮断するもの
が望ましいです。
とすると、幸せなことに日本には古くからそのような容器が存在します。
それは、
・お茶箱
・お茶缶
・米袋
です。
業務用なら、お茶箱か米袋
業務用としてお店で使用するのであれば、お茶箱か米袋がおすすめです。
お茶箱とは
最強の保存容器です。
お茶箱は杉材を使用した木箱ですが、
内側にトタンが貼ってあります。
杉材が温度変化をカットし、
内側のトタンが湿度変化から
豆を守ってくれ、
豆の水分の蒸発も防ぎます。
非常に優れた容器です。
ただ場所をとるので、
使用できるシーンは限られてきます。
米袋とは
もうひとつの候補である米袋。
クラフト袋が二重になっていて保湿性が高いタイプのものがあります。素材も丈夫で、紐付きで繰り返し使えるようになっています。大きな米袋であれば、コーヒーの生豆が10キロ程度入ります。スペースもとらず、使い勝手も良いです。
ウチでは、
1店舗目ではお茶箱を使用しておりましたが、倉庫を作ってからは米袋を使用するようになりました。倉庫で米袋に10キロ単位で小分けにして、それを店舗に配送するようにしています。
家庭用ならお茶缶
家庭用ならば、余っているお茶缶などがあれば、それに入れると良いかと思います。お茶缶は中蓋があり、密閉性が高いです。光も湿気もしっかり遮断してくれますので、非常に優れた容れ物です。
このように、お茶と米は歴史が長いだけあって、その関連器具には優れた機能を持つ道具が揃っています。それをコーヒーにも流用しない手はありません。
アルミ蒸着袋最強説!?
お茶箱最強説をTwitterでつぶやいたら、包装のプロを名乗る方から反論いただきましたw
アルミ蒸着袋が
・バリア性、
・光の透過、
・UVカット
の面からみて最強とのことでした。
ただし、私の考えとしては、
・外界の温度変化への対応
・繰り返し使えること
・大量に保存できること
・コスト
このようなことをトータルに考えると、
やはりお茶箱や米袋が良いのかな
と思います。
少量であれば、
アルミの蒸着袋の使用には
賛成です。
エイジングコーヒーとは?
焙煎したコーヒー豆を数ヶ月寝かせることをエイジングコーヒーと言ったりもしますが、ここではコーヒー生豆を数年〜数十年寝かせたものについて解説します。
エイジングコーヒー、またはオールドビーンズとも言います。
年月がたつにつれ乾燥して黄色くなり、やがて少し茶色がかります。味は一般的に枯れた味になり、華やかな酸味は失われます。
しかし、その味が美味しいと感じる人もいるようですし、エイジングすることで美味しくなるコーヒー豆も稀にはあるとのことです。
エイジングを売りにしたコーヒーショップもあります。一番有名なお店は銀座「カフェ・ド・ランブル」かと思います。戦後のコーヒー界を牽引した巨匠、故・関口氏のお店です。店が混んでいて、ジョンレノンとオノ・ヨーコの入店を断ったこともあるとか。伝説的なお店です。数十年前のコーヒーのラインナップも豊富です。
私の生まれた年のコーヒー豆もありました。ただ、味は私の好みとはかけ離れていましたがw
興味のある方は、銀座に行ったときにでも立ち寄ってみてください。
>>カフェドランブル
コーヒー生豆の保存期間・保管方法について まとめ
コーヒー生豆の保存期間ですが、
収穫から1〜2年以内であれば、風味が保たれ美味しく飲めます。保存期間の目安を考えるうえで、できれば入港された時期もチェックしたいです。(入港した時期の半年前が収穫された時期です)
保管方法ですが、
密閉できる容器で冷暗所で保管を推奨します。温度変化・湿度変化・物理的な衝撃など、刺激を与えないことが重要です。
家庭では難しいかもしれませんが、真空パックでの保存はとても有効です。
今日の記事はこんな感じです。
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