多くのコーヒー系ユーチューバーやブロガーが絶賛する堀口珈琲。
その評判は本当なのか?
実際のところ美味しいのか?
堀口珈琲の存在感がここまで大きくなっているのは何故なのか?
忖度なし!
堀口ファンの方、どうか怒らないでくださいw
記事の後半は、堀口珈琲のビジネス面を考察します。
堀口珈琲はまずい?
堀口珈琲もググると、まっさきに「まずい」がサジェストされます。
これは、多くの人が「堀口珈琲 まずい」で検索をしているということ。
堀口珈琲は通販にも力を入れてまして、Googleに広告を出しているのをよく見かけます。
なので、堀口珈琲を通販で買うか迷っていて、とりあえず「堀口コーヒー まずい」で検索をかけてみる、という人が多いのではないでしょうか?
堀口珈琲とは?
堀口珈琲とは、東京にある自家焙煎のコーヒーショップです。
人気・実力・知名度ともに業界トップクラスです。
現状は4店舗展開しています。
- 世田谷店
- 狛江店
- 上原店
- Otemachi One店
です。
なぜ堀口珈琲が有名なのかというと、オーナーの堀口氏がコーヒーの本を出版している影響が大きいと思います。
・カフェバッハの田口氏。
・丸山珈琲の丸山氏
・そして堀口珈琲の堀口氏。
この3名が、コーヒー界の(関東の?)3巨頭のようになっているイメージがあります。
堀口珈琲の信者は多く、このお店で修行をした後に独立していった人たちも多いようです。
堀口珈琲に行ってみた
私は上原店と世田谷店に行ったことがあります。
上原店はコーヒー豆売りのみで、店内喫茶はありません。
世田谷店はスタンダードな純喫茶のお店です。
今回は上原店に行きました。
代々木上原駅から徒歩で7分ほどでしょうか?
商店街の入り口すぐにあります。
堀口珈琲のコーヒー豆を買ってみた
コーヒー豆の種類は20種類ほどでしょうか。
ブレンドの種類は9種類。
味のイメージでカラーリングされていて、とても分かりやすいです。
今回はスタンダードなものを試したかったので、#5のブレンドを購入。
200gで1,836円でした。
豆は200g単位での販売でした。
100gで買うことはできません。
堀口珈琲の♯5 SMOOTH&CHOCOLATY を飲んでみた
今回は#1〜#9まであるブレンドのなかから、ちょうど真ん中、#5を買いましたので、レビューします。
#5ブレンドは、フルシティロースト、やや深煎りです。
名前がスムース&ショコラティなので、口当たりが柔らかくて風味にはチョコレートっぽさがあるイメージでしょうか?
で、実際に飲んでみました。
飲んでみた第一印象は、「風味が薄く特徴もない」という感じでした。
配合されている国を見たら
・ペルー
・グアテマラ
・コロンビア
・・・なるほど。
大体、それぞれの豆の質感や原価の価格帯、配合の狙いがわかる気がします。
決して悪い味はしませんし、よくまとまっているかと思います。
このようなスタンダードなコーヒー感と、クリーンな飲み口は、一般的にはウケもいいと思います。
個性もボディも乏しく、私好みではありませんでした。
また、この風味でこの値段は少しコスパが悪いかな、という気もします。
「堀口珈琲のブレンド」=「コーヒー業界でもトップクラスのブレンド」
というイメージで飲むと、ちょっと肩透かしを食らうかもしれません。
フルシティローストの割には、苦味も感じませんでした。
なので、深煎り好きな方は#6以上のブレンドを選ぶと良いと思います。
ウチのスタッフ何人かにも試飲してもらいましたが、みんなの意見もほぼ一緒でした。
「? 風味が薄い・・・。あの(有名な)堀口珈琲なのに!?」
という感じです。
たまたまこのブレンドだけがこんな感じで、他のブレンドはそんなことがないのかもしれませんが。
ちなみに裏のラベルを見ると・・・
焙煎日が書いてありません。
ちょっと残念です。
それなりに新鮮な感じの豆でしたが・・・。
堀口珈琲の評判・口コミは?
しかし、当然と言うべきか、私の周囲では堀口珈琲の評判は高いです。
浅煎り派は丸山珈琲。
深煎り派は堀口珈琲。
そんな印象があります。
ネット上の口コミや評判はどうでしょうか?
ざっと調べてみました。
あいにくの天気ですが、今日は #コーヒーの日
堀口珈琲さんのペルー フェスパ ティピカ
ビターチョコのような甘苦さ。とても滑らかな触感と華やかさが印象的で、深煎りでもするする飲めます。 pic.twitter.com/3YhykL8gJ6— 遠回りする人 (@tomawari_) October 1, 2021
堀口珈琲が力を入れているペルー。
飲みやすくて人気があるようです。
堀口珈琲さんのブレンド8「STOUT & WILD」。チャートでは分かりにくいが、イタリアン気味のフレンチローストらしい。
名前通り重みあり。果実系というよりはハーブ風のシャープさが華やかさを演出しているかもしれない。バニラっぽい甘い残り香も、初めのインパクトとのコントラストがあって美味い。 pic.twitter.com/JVDPeG91ZM— まさ (@55mabou) September 26, 2021
堀口珈琲のブレンドは、とにかく絶賛に次ぐ絶賛。
ネット上の評判がめちゃくちゃ良いです。
堀口珈琲さんの定番ブレンド#5は
突出した苦味や酸味がないことが
良いと感じています。起床時や気分を落ち着かせたい時に
刺激がマイルドで口当たりの良い
コーヒーを飲みたくなります😌定番ブレンド9種の真ん中の5番は
安定感が最大の魅力です☺️ pic.twitter.com/cnpF6RQFB3— シュン@スローライフを好む薬剤師 (@ShunE1220) September 18, 2021
私が好きじゃないと言った#5ブレンドも絶賛されてますw
多くの人が、このブレンドを気に入っているようです。
<堀口珈琲 コスタリカ>
アルトス・デル・アベホナル
カトゥアイ ナチュラル CITY少し濃いめに
じっくり淹れるのがおすすめ印象的な柑橘調の酸味を和らげて
奥にある甘さを引き出せたら
洋梨??のような果物を想像するこんな感じに淹れれたとき
一段と嬉しく感じる珈琲#堀口珈琲 pic.twitter.com/pGQeoToJVD— Gs (@Gs202107) September 5, 2021
ストレートの豆でも、深煎りを推す声がたくさんありました。
このように、ネット上では堀口珈琲への賞賛の声が溢れていますw
ここまでマニアに支持されるショップも珍しいです。
このギャップや違和感の正体は、何なのでしょうか?
この記事の後半で考察してみますが、その前に、堀口珈琲のおすすめ豆をご紹介します。
堀口珈琲のおすすめコーヒー豆・商品
堀口珈琲のコーヒーの味の特徴は、「バランスの良さ」である、と思います。
ラインナップも、フルーティな豆からビターな深煎りまで、バリエーションが豊かに揃っています。
どれを飲んでも嫌な味がなく、まとまっていて、上品。
それだけに面白みに欠ける部分はあるかもしれません。
今回の#5ブレンドのように、まとまり過ぎていてつまらなく感じることも。
だから、私のおすすめとしては、堀口珈琲はブレンドではなく、ストレートの豆をおすすめしたいと思います。
堀口珈琲のおすすめコーヒー豆
タンザニアのブラックバーン農園から多分直接購入されているからだと思います。
過去に飲んだことのある、ケニアもおいしかったです。
ただし、最近のラインナップを見てみると中米に力を入れているようですね。
現状のラインナップでのおすすめをピックアップしてみます。
ブレンドが少しお高めなので、私は堀口珈琲で買うならシングルオリジンをおすすめします。
コスタリカが200gで1,400円くらいなので、これはコスパが良いと思います。
狙い目ですね。
あとは深煎りで強い苦味が好きな方でしたら、タンザニアのブラックバーン農園がおすすめですね。
ラインナップにペルーが充実してますが、これはブレンドの原価を抑えるための仕入れかと推測します。
ペルーはクセの無い風味で、ブレンドのベースとしてブラジルより優れていると、個人的には思います。
ペルーの豆は安いので、ブレンドの原価低減にも役立ちます。
丸山珈琲におけるホンジュラスの役割が、堀口珈琲におけるペルーなんだと思います。
堀口珈琲のお試しセット
初めての方には、堀口珈琲のお試しセットをおすすめします。
お試しセットは2種類のセットがあります。
- ブレンド3種(各100g)
- シングルオリジン3種(各100g)
私はやはり、シングルオリジンのセットの方をおすすめしたいです。
2種類ともにお値段は1800円で送料込みと、それなりにお得です。
ただし、両方のセットを注文すると1000円分のクーポンがもらえるようです。
そうなると、両方ともに試してみたくなりますねw
ひとつ余計だなあと思うのが、シングルオリジンのセット内容にデカフェが含まれていること。
堀口珈琲がまずいは嘘。むしろ美味しい。だけど・・・
通販に強いショップだけに、購入前にネガティブな評判がないか、チェックする人が多いだけかと思います。
これだけ品質を追求しており、味のバリエーションも多いショップです。
まずいワケがありません。
しかし、逆に気になるのが、良過ぎるように思える評判です。
堀口珈琲信者が多くいて、盲目的に「堀口珈琲=美味しい」になっている気がします。
有名なコーヒー系YouTuberが推しているのも、それに拍車をかけている状況です。
確かに堀口珈琲は美味しいですが、必ずしも最高の豆が揃っているワケではないと思います。
ブレンドなど、いい値段の割にはその品質が疑問に思えるものもあります。
堀口珈琲や丸山珈琲は現地まで行ってコーヒー豆を買い付けています。
コーヒー豆ひとつひとつの生産者の顔も分かり、ストーリー性もあります。
それが、堀口に行けば品質の良いコーヒー豆が買える、という印象に繋がっています。
ただ、こう考えてみるとどうでしょうか?
- 「自前主義で自社で世界中のコーヒー豆を探して買い付ける」
- 「いくつものコーヒー商社から選りすぐったコーヒー豆を仕入れる(セレクトショップ方式)」
どちらが、よりよい品質を担保できるでしょう?
ブランド力を持てるのは前者。
本当に良い品質を確保できるのは後者。
そう思いませんか?
コーヒーの商社は、1社につき数種類のキラーコンテンツのような高クオリティのコーヒー豆を握っています。
さらに商社にはそれぞれ、得意な国や地域があります。
なので、コーヒー豆の仕入れは数多くの商社と付き合い、「自前主義」よりも、「セレクトショップ方式」でやった方が、品質面ではより有利と言えます。
堀口珈琲のビジネスを考察してみる
ここからは、コーヒーショップ開業志望の方向けです。
堀口珈琲のビジネスを考察します。
半分フィクションとして読んでくださいw
私は、堀口珈琲は、カフェバッハのビジネスのコア部分を継承・拡大させたコーヒーショップだと思っています。
理由を解説します。
堀口珈琲の特徴
堀口珈琲の特徴は、何といってもブランド力。
さらにおしゃれさ、高級感もあります。
味のバリエーションも豊富。
深煎りのラインナップも充実しており、年配の客層が求める味をしっかりと提供しています。
コーヒー豆屋としては完璧に近いかと思います。
一方で、コーヒー豆の品質が飛び抜けて良い、という訳ではありません。
これはブランディングによってそう思わされている部分が大きいと思います。
堀口珈琲のブランディング
堀口珈琲は生産国を回って、良い農園を探し出し、そこから独自に品質の良いコーヒー豆を買い付けています。
だから美味しい。
だから成功した。
と思っている人は多いのではないでしょうか?
でも、違いました。
堀口珈琲のHPに書かれている今までの歴史をみると、本を出版して権威を獲得したのが先のようです。
出版の後に生産国への訪問を開始して、その権威を不動のものに固めていった様子がうかがえます。
このように、堀口珈琲はブランディング・権威付けを上手にこなしていきました。
明らかに、それが成功の原動力になっています。
そして、ブランディングや権威付けの力のおおもとは、書籍の出版です。
「珈琲の教科書」という本を出版されています。
開業当初は、少し尖った品質へのこだわりがあったのだと思います。
それが書籍出版につながり、さらなる飛躍への大きなきっかけではないか?
私はそう思います。
①コーヒーの品質を追求。
②そこで学び経験したことを出版。
③権威を獲得。商売を拡大へ。
④生産国への訪問を開始。権威を揺るぎないものへ。
こんな流れかと思います。
この順番、すごく勉強になると思いませんか?
そしてこの順番にはひとつ前準備があり、
⓪カフェバッハのやり方を学んだ。
というのが、あったのではないかと推測します。
堀口珈琲は、カフェバッハの継承者である
年代からして、カフェバッハから色々とヒントを得ているのは間違いないと思いますし、商売のやり方が似ているからです。
カフェバッハの田口氏は、いうなれば「珈琲界のレジェンド」です。
古くからコーヒーの本を出版したり、焙煎機を開発したり、焙煎に化学的な分析や考察を取り入れたり、していました。
①コーヒーの品質を追求し
②本を出版し
③権威となり
④商売を成功させ
⑤後進を育て
⑥彼らに開発した焙煎機などを売る(おそらくコーヒー生豆も卸している)
これらの手法がカフェバッハと堀口は非常に似ているんですね。
堀口珈琲も
権威となり、
成功して、
自分に付いてくる後進を育て、
彼等にコーヒーの生豆を卸しています。
カフェバッハの田口氏は主に「焙煎」で権威となりましたが、堀口氏は「コーヒー農園との直接取引」で自らをブランディングしました。
細かい方法は違えど、「ビジネスの作り方」「マーケティング」の手法はほぼ一緒です。
なので、
「カフェバッハのビジネスのエッセンス部分を抽出して濃縮して拡大してできたコーヒー店が堀口珈琲である。」
と、言えるかと思います。
商売において一番重要な部分を、上手にマネたのではないでしょうか?
結論・堀口珈琲から喫茶店としての豆売りを学ぼう
カフェバッハ・堀口珈琲ともにコーヒーの味にこだわった純喫茶店からスタートしています。
- コーヒーとともにスイーツにも力を入れ、
- 店内の内装や従業員の教育にもこだわり、
- 世の中へ広くコーヒーの啓蒙活動を行い、
- 喫茶店として、あらゆる面にて完璧・究極を目指している、
かのように見えます。
全方位的に完璧を追求していろいろと取り組みましたが、成功のもとになった大きな要因は「ブランディング」だったのではないかと思います。
普通の喫茶店がコーヒー豆を売るのは、非常に難しいです。
多くの喫茶店が挑戦していますが、ほぼ売れません。
喫茶店に来るお客様の来店動機は、
「コーヒー豆が欲しい」
ではありません。
「ゆっくりしたい」
「甘いものが食べたい」
などです。
そのニーズに答えながら、豆売りにつなげるのは容易なことではありません。
そんななか、この2つのお店が豆売りに成功したのは、間違いなく「ブランディングの力」ではないかと思います。
バッハや堀口は、「ブランディング・権威」という武器で、そのハードルを乗り越えました。
「喫茶店」に「通常と異なる来店動機(コーヒー豆が欲しい)の人」を呼び込むことに成功したんです。
これは、ひとつの答えかと思います。
私たちには、彼らから学び、実行できることは多いです。
もちろん、学んだうえで現代風にアレンジする必要はあります。
喫茶店をやりながらコーヒー豆を売りたいのであれば、
- コーヒーの品質を追求し
- コーヒーの情報を発信して
- SNSなどで影響力を獲得して
- マイクロインフルエンサーとなり
- コーヒー豆売りに繋げる。
さらに今や、書籍の出版なんておおげさなことをしなくても、ブログやYouTubeで発信できる時代です。
Amazonの電子書籍ならば、簡単に無料で出版することもできます。
誰でも、ブランディングや権威作りに取り組める環境になっています。
喫茶店として営業しながら、コーヒー豆売りも軌道に乗せたいのであれば、やるべきことは「情報発信からのブランディング」。
・・・なのかもしれませんね。
コーヒー豆売り専門店として、コーヒー豆の売り方を学ぶならば「やなか珈琲」。
喫茶店として、コーヒー豆の売り方を学ぶならば、「堀口珈琲」。
わたしはそう思います。
長くなりましたので、このへんで終わりにします。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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