やり方とコツを教えて欲しい。
なんか、美味しく焙煎できていない気がする。
どうしたらいいの?
コーヒー手網焙煎の失敗しない3つのコツ
コーヒーの手網焙煎は熱が直接生豆に伝わる為に、最初は火加減が難しいかもしれませんね。
火力が弱すぎるとハゼが上手く起こらなかったり、焙煎時間が長すぎて風味が薄くなったりします。逆に火力が強すぎると、熱による豆の成分の化学反応に必要な時間が足りなかったり、組織がもろくなって保存が効かなかったり。
ほどよい火力を見つけることが、手網焙煎の成功のコツとなります。
一見難しく感じますが、しかし、ポイントとなる3つのコツを押さえれば、それだけで手網焙煎は簡単になります。
そしてその3つのコツとは、
- コンロの上に網をかける
- 弱火でじっくり水抜きをする
- 1ハゼが来たタイミングで、火加減を調整
それぞれを詳しく解説します。
コーヒーの手網焙煎とは?
コーヒーや銀杏などを手軽に煎ることができる器具を使用します。
Amazonや東急ハンズ、コーヒー専門店などで2,000円代で手に入ります。底に凹凸があり、豆を攪拌してくれます。
焙煎後の冷却が容易です。
網に入れたまま、そのままドライヤーの風を当てるだけ。チェフが飛び散るのもある程度は抑制してくれます。
火力がダイレクトに豆に当たる為、火加減の調節が少し難しい面があります。
また、焙煎中、ずっと手に持って振り続ける必要があり、疲れます。
手網焙煎に必要なもの
- 手網焙煎器
- コーヒー生豆
- ドライヤー
- 鉄網(100均・無くても大丈夫)
コーヒー手網焙煎のやり方・手順
それでは、コーヒー豆の手網焙煎のやり方を解説します。また、それぞれの失敗しない為のポイントも挙げてみました。
①コンロに金網をセットします。
100均で売っているヤツで大丈夫。熱の流れを攪拌して、焙煎にムラができるのを防ぐ役目があります。
②水抜き
まずは弱火で、豆の水分を抜いていきます。
ここの工程はじっくり時間をかけて大丈夫。4〜5分、もしくはそれ以上の時間をかけてもOKです。
水抜きをゆっくり進めることで、ムラを予防します。
③焙煎開始
豆の色が黄色く変化してきたところで、本格的に焙煎開始です。火力を少し上げます。(ほんの少しでOK)
④1ハゼ
バチバチと豆の爆ぜる音が聞こえてきます。1ハゼが来る目安は③焙煎開始して2〜3分後が目安です。
1ハゼの後半から、少しだけ火力を絞ると失敗しにくいです。
1ハゼの前半で焼き上げるとシナモンロースト、
1ハゼ終了時で焼き上げるとミディアムローストです。
浅煎り(〜ハイローストまで)の場合、1ハゼ開始したらすぐに火力を絞ります。1ハゼをゆっくりすすめることによって、焙煎を均一にしてムラを抑制します。
⑤1ハゼ終了
1ハゼ終了して、2ハゼが始まるまでの間に1〜2分の間隔があります。
1ハゼ後〜2ハゼまでの中間で焼き上げると、ハイローストになります。
火力が強すぎると、1ハゼと2ハゼが繋がってしまうことがあります。その場合、火力を絞ってください。
⑥2ハゼ
パチパチと、1ハゼよりも少し高い音で爆ぜる音がします。この段階まで来ると熱量が多く、豆の成分の化学反応が早く進行します。
豆自体が発熱するので、火力は弱めで大丈夫です。
2ハゼ開始時で焼き上げるとシティロースト。
2ハゼピークでフルシティロースト。
2ハゼ後半でフレンチロースト。
2ハゼ終了時でイタリアンローストです。
フレンチローストだと焙煎終了時に油が表面ににじみでてきます。豆の種類によっては、フルシティでも油が出てきたりします。
比較的早く焙煎度合いが移り変わっていくので注意してください。
火を止めても冷却されるまで焙煎は進行します。少し早めに火を止めると慌てずにすみます。
⑦冷却
ドライヤーの冷風を使用して素早く冷却します。
豆が熱をもったままだと、焙煎が進行してしまいますので、出来る限り急冷を心がけます。
シンクの中やお風呂場など、チャフを飛ばしても大丈夫な場所を確保しましょう。
ドライヤーの風の力で、冷却しながらチャフを飛ばしてしまえると便利です。
動画でも解説しました。ハゼの音などイメージが掴みやすいかと思います。
コーヒー手網焙煎の失敗しない為の3つのコツ
コーヒー手網焙煎の3つのコツを押さえると、失敗しにくくなります。それぞれ解説します。
コツ① コンロの上に網をかける
網によって火の熱が起こす空気の流れを攪拌させます。そのことで、熱が広い面積でコーヒー豆に当たり、ムラを防ぎます。網自体も発熱しますので、さらに熱の効率が良くなります。
網の素材がセラミックであれば、遠赤外線効果があったりもします。
コツ② 弱火でじっくり水抜きをする
水抜きの段階では、時間を多くかけても風味への悪影響がほぼありません。ゆっくり水抜きをすすめることによって、ムラになることを予防えきます。
コツ③ 1ハゼが来たタイミングで、火加減を調整
1ハゼが来たタイミングが、火加減の強さを調節する目安となります。
通常の調整
6〜7分程度を目安とします。
それ以前に1ハゼが来た場合は火力が強いので、少し弱める。
それ以降に来た場合は火力が弱いので、少し強める。
※火力の調整は少しで大丈夫。
手網を火に近づけたり、遠ざけたりすることでも調整は可能です。
浅煎りの調整
浅煎りの場合、焙煎時間が短いのでどうしてもムラができやすいです。また、重い酸味も残りやすいので、1ハゼをゆっくりと進めてあげると失敗しにくいです。
その為、1ハゼが開始したら、すぐに少しだけ火力を弱めると良いでしょう。
- コーヒー豆が少量過ぎると焙煎が均一に進まない。
- コーヒー豆の粒の大きさが揃っていない。
- コーヒー豆にいくつかの品種が混ざっている。
ムラを完全に無くすことは無理なので、あまり神経質にならないようにしてください。
手網焙煎の時間
コーヒーの手網焙煎にかける時間は、焙煎するグラム数や焙煎のレベルによります。
初心者の方は、下記を目安としてください。
ミディアムロースト・・・5〜7分
ハイロースト・・・6〜8分
シティロースト・・・7〜8分30秒
フルシティロースト・・・8分〜9分
フレンチロースト・・・8分30秒〜9分30秒
イタリアンロースト・・・9分〜10分
グラムが少ないと、焙煎時間は短くなる傾向があります。ただし、火力で調節して、できるだけ同じ焙煎時間になるように心がけましょう。
初心者におすすめのコーヒー豆
という方は多いと思います。
そこで、焙煎が失敗しにくい豆をご紹介します。
・グアテマラ(SHB)
・パプアニューギニア(AA)
・コロンビア(スプレモorプレミアム)
()内は豆のグレードです。それぞれ、その国の最高品質のものです。
それらを選んだ理由ですが、
- 焙煎レンジが広く、中煎り〜深煎りまで広く対応できます
- ハゼの音がハッキリ聞こえる
- 粒が揃っていることが多く、ムラになりにくい
- 最高グレードでも価格が安く、失敗しても痛手が少なく済む
- 最高グレードだけに、コスパが良いのに美味しい
このように、初心者に優しく、しかも美味しくてコスパも良いからです。
生豆が購入できるオススメサイトも別記事で紹介しています。
コーヒー手網焙煎の失敗しない3つのコツ【焙煎士が伝授】 まとめ
コーヒーの手網焙煎は難しいものではありません。基本的には、ただ豆を煎って、好みの焙煎の深さで煎り止めするだけです。個人的には、コーヒーの手網焙煎は米を鍋で炊くくらいの難易度だと思っています。
ですが、コーヒーは嗜好品なだけあって、ロマンを求める方が多く(笑)、かなりこだわったやり方が出回っています。それが、「コーヒーの焙煎は難しい」というイメージになっているのだと思います。
ですが、
コーヒー手網焙煎3つのコツ
- コンロの上に網をかける
- 弱火でじっくり水抜きをする
- 1ハゼが来たタイミングで、火加減を調整
この記事でこれら3つのコツを事前に掴めることによって、多くの方が気軽にコーヒーの手網焙煎にトライしていただくきっかけ作りになればいいなと思います。
今回は以上です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。