novo mark2、またはαNOVOという焙煎機をご存知でしょうか?
スケルトンな躯体で豆が焙煎されて変化する様が観察できる、「魅せる焙煎機」です。
あの無印良品が採用した焙煎機でもあります。
渋谷の道玄坂にショールームがあります。
購入を検討している知り合いがおり、同行させていただくことができましたので、記事にしてみました。
(その後購入が決定しました。)
NOVO MARK2、αNOVOとは?
NOVOとは、熱した空気で焙煎する、熱源が電気の焙煎機です。
プログラムも組むことができ(最新機種では300パターンの登録が可能)、思いのまま、かつ、再現性の高い焙煎が可能です。
似たような機種としてトルネードキングもありますが、NOVOの最大の特徴は「魅せる焙煎機」であること。
透明ガラスのシリンダー内で焙煎される為、豆の変化が良く見えます。
焙煎の演出効果が高く、お客様に強いインパクトを与えてくれます。
MARK2とαの違い
MARK2とαという2つの機種がありますが、αの方が上位互換の性能です。
プログラムを組める数が、
MARK2は100まで。
αは300まで。
一度に焙煎できる最大量が、
MARK2は1kgまで。
αは1.5kgまで。
業務用として十分な量を焙煎できます。
もちろん、価格もαの方がお高いでです。
NOVOの焙煎
目立つ場所に設置されたガラスシリンダー内にて、熱風で焙煎されます。
焙煎中に出たチャフは、速やかに吸い取られて除去されます。
チャフが燃えることで出る風味への影響が少なく、また煙があまり出ないことも特徴です。
操作はタッチパネル。
焙煎のレベルに応じたプログラムがあり、それを選択するだけ。
プログラムの調整も簡単です。
NOVOの焙煎では大きな特徴が3つあります。
- チャフが発生した瞬間、素早く完全に除去されること。
- 短時間で焙煎できること。
- 映えること
だから、チャフが燃えたり焦げたりする暇がありません。
結果として、スモーキーな風味やベイクドな風味を抑える焙煎になるようです。
短ければ5分くらいで焙煎が完了します。
(もちろん、プログラム次第でもっと長時間焙煎にすることもできます。)
その為、お客様の注文を受けてからの焙煎に対応できます。
生豆が焙煎され、白から黄色、茶色へ変化していく様子を観察することが容易です。
この為、ディスプレイとしての効果が高く、お客様へ与えるインパクトが大きいものがあります。
焙煎機自体のデザイン性も高いのではないでしょうか。
あとは少量の焙煎ができること、味の再現性が高いことも特徴です。
この為、飲料メーカーの研究所にも導入実績があるとのことでした。
NOVOの味わいの特徴
NOVOで焙煎されたコーヒーの味わいの特徴は2つではないかと思います。
- ボディが強め
- コゲ味やスモーキーさが抑えめ
NOVOの焙煎は熱風式。
熱風式なのでベイクド系コゲ味はマイルドな仕上がり。(何語?w)
豆に急速に熱が加わり、素早く焙煎ができることができるので、ボディの強い味わいにもなります。
またチャフが素早く除去されることによって、煙の発生が抑えられているとのこと。
ということは、スモーキーさが薄いということ。
以上のことから、豆の特徴を強く打ち出せる焙煎ができているのではないかと思います。
パンチの効いたコゲ味は無いので、伝統的な深煎りのコーヒーの苦味の表現はしづらいかもしれません。
NOVOの価格や中古について
NOVOの価格は、メーカーにお問い合わせしてみてください。
そこそこ高めの自動車が買えるお値段でした。
MARK2よりαの方が、当然お値段は高かったです。
中古の取り扱いがあるか聞いてみましたが、無いとのことでした。
ほとんど中古が出回ることが無いようです。
メンテナンスのことを考えても、メーカーから新品購入一択のようです。
NOVOのメリット・デメリット
自家焙煎コーヒー豆売り店として、NOVO焙煎機を使用する場合の、メリットデメリットを考察してみました。
あくまでも私の感想・独断と偏見によるものなので、その点ご了承ください。
ちなみに、コーヒーの仕上がりの味に関しては好き嫌いの話になりますので、メリットデメリットには盛り込まないようにしました。
- 焙煎が早い
- オーダー焙煎に対応できる
- ディスプレイとして魅力的
- 集客に有利・・・最大のメリット
- スタッフ教育の手間が省ける
- 数十gから焙煎可能
- 煙があまり出ない
- 設置のハードルが低い
要は、コーヒー豆を販売する上での協力な武器になることは間違いありません。
単純にディスプレイとしての効果が高いことと、オーダー毎の焙煎に対応できることは、集客上非常に有利に働きます。
また、焙煎時の煙が出ないことはお店のテナント選定に自由度をもたらしてくれます。
商業施設内での出店も可能です。
ダクトの直径も6センチと小さく、消防法との兼ね合いもスムーズにクリアできると思われます。
排煙の温度は、ダクトの長さによって変わってきます。
- 本体価格が高い
- 自力でメンテナンスができない
- 導入に業務用電源の設置が必要
導入への最大のネックは、価格かと思います。
そこそこの高い自動車並みの値段となりますが、ただし投資効果を考えると価格の高さは気にならないかもしれません。
また業務用電源(3相200V)が必要で、しかも8kwと消費電力が大きいです。
テナントによっては、電源を引く工事が高額になる場合も。
NOVO MARK2のメンテナンスは?
どのくらいの頻度かというと、
「焙煎時間のトータルが350時間になったら」
です。
1回の焙煎時間が仮に5分として、
1日の焙煎回数が仮に20回として、
1ヶ月の営業日が仮に30日として、
7ヶ月のペースで1回メンテンナンスが必要、ということになります。
メンテナンス費用は、作業費が5万円。
それに交通費が実費かかるとのことです。
メンテナンスは、ブロワーに固着した油を除去したり、色々とバラして総合的に見てくれるとのこと。
これらは、メーカーに任せるしかなく、自力で行わないでくださいとのことでした。
NOVOの評判
NOVOのネット上の評判をまとめてみました。
焙煎機はnovo mark2という機械。このジェットロースターで焙煎したコーヒー豆は、深めの焙煎でも結構好みな気がする。
— 16 LEVELS (@16levelsMPC) February 23, 2022
昨日行った大阪の珈琲屋さんは、豆を頼むとNOVO mark2なるアーバンなマシーンで焙煎してくれるという、鮮度パないお店だったので面白かったです。 pic.twitter.com/XpGDvJGEZq
— とじよ (@tjtake) September 22, 2020
やはりお客様からのウケは良いようですね。
また、実際にNOVOを導入しているお店の方にもお話しを伺ってみました。
東京都豊島区にある、Toden Coffeeさんです。
まず、マスターひとりのオペレーションなので、非常に助かっているそうです。
コーヒー業界未経験からの開業だったそうで、時間を購入する意味でも、NOVOに決めたとのことでした。
仕上がりの味わいも、満足していらっしゃる様子でした。
特に、「浅煎りのコーヒーの風味がクリアで良い」とのことでした。
NOVOを導入するならこんな店
さて、NOVO導入するのであれば、どのようなお店のスタイルを目指すべきでしょうか?
注文毎の焙煎に対応するスタイル、これば間違いありません。
注文焙煎するということは、ロスが出ないということになります。
すると、少量多品種のラインナップの取り扱いが可能です。
30種類くらいのコーヒーを取り揃えても大丈夫。
このようなことを考えると、
「コーヒー豆売り専門店」で、しかも「注文毎の焙煎」のお店、
ということになります。
東京で言えば、やなか珈琲店のスタイルですね。
注文毎の焙煎の威力は、想像以上に強いものがあります。
やっぱり、自分だけの為に焙煎してくれる。
焙煎したてで新鮮なコーヒーが買える。
という満足感が大きいです。
こうすることでスタッフとお客様が顔見知りになり、顧客離れを防げるんですね。
その為、注文焙煎を続けると、豆売りの売り上げが青天井に積み上がっていきます。
このスタイルでやるならば、さらに
- チェーン店化(スタッフ教育が省ける為)
- 商業施設への出店(豆が売りやすい)
を視野に入れると良いかと思います。
成功している見本となるチェーン店がありますので、そこから謙虚に学ぶべきです。
あと、余談ですがナッツ類の焙煎もすることができ、とても好評とのこと。
焙煎したてのナッツは美味しく、販売するとよく売れるそうです。
NOVOにはオーナー向けの専用卸売サイトが用意されています。
そちらで、コーヒーの生豆やナッツ類、さらにはコーヒーの器具類も購入することができます。
少し見せてもらいましたが、かなり高品質のコーヒー豆もラインナップにある様子でした。
これもNOVO導入の大きなメリットかと思います。
注文毎の焙煎は、やってみると思ったよりも売上に対するプラスの影響が大きいことに驚くと思います。
顧客化に強力な威力を発揮しますので、LTV(顧客生涯価値)が爆上がりするんですよね。
今後、自家焙煎の開業を考えていらっしゃる方は、一度検討してみてはいかがでしょうか?
今日の記事はこんな感じです。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。
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