焙煎士歴10年にして、数々のブレンドのヒット商品を世に送り出してきた(笑)私がお答えします。
この記事を読むと、
- ブレンドの目的
- プレミックスとアフターミックス
- ブレンドレシピの考え方の基本
- ブレンドの焙煎
- おすすめブレンドレシピ
これらが理解でき、プロレベルのレシピの作成ができるようになります。
今回の記事はカフェ開業したいプロ志向の方向けです。コーヒーブレンドのレシピ作りを、深掘りします。
コーヒーブレンドレシピの考え方
ブレンドのレシピを考えるうえで、大きく二つの方向性があります。
- 原価低減の為のブレンド
- 風味追求の為のブレンド
この2種類です。
原価低減型ブレンドレシピの考え方
昔からの主流の手法です。
ブラジルなど価格の安い豆を使用しますが、何種類かの豆をかけ合わせることでボディ感を出し、風味の薄さを補います。
メリットとしては、原価が安くなります。
デメリットは、味に特徴が出ません。よくありがちな、安いチェーン店のコーヒーの味になります。
ブレンド方法はプレミックスでもアフターミックスでもOKです。この用語については後ほど説明します。
レシピ例
ブラジル60%:コロンビア20%:キリマンジャロ20%(中煎り)
ブラジル60%:マンデリン30%:モカ10%(深煎り)
風味追求型ブレンドレシピの考え方
最近のコーヒー専門店では取り入れる店が多くなっているブレンドレシピの考え方です。
個性のある高品質な豆を使用します。それぞれの風味の特徴を活かし、かけ合わせることによって、強い個性を持ったブレンドの風味を作り上げます。
味の濁りを防ぎ、キャラクターを強く打ち出したいので、基本的には配合する豆を2種類までに抑えた方が良いでしょう。
メリットとしては、風味が強く・個性も出しやすいです。
デメリットとしては、原価が高くなりがちです。
ブレンド方法は、アフターミックスの方がより適しています。
レシピ例
マンデリン(フレンチロースト)70%:エチオピア(シティロースト)30%
プレミックスとアフターミックス
複数のコーヒー豆を混ぜることを、どのタイミングでしているのかを表す言葉です。
その名の通りですが、焙煎前にコーヒー豆の配合を行うことをプレミックス。焙煎後に配合することをアフターミックスと呼びます。
プレミックス
同時に混ぜて焙煎することで、火の通りが均一になるので味にまとまりが出る。と考えられています。いかにも日本人的な考え方です(笑)が、一理あるような気もします。
プレミックスのメリットとしては、
- 一度に焙煎できて時短になる
- 風味に統一感が出る
デメリットとしては、
- 同じ焙煎レベルに適した豆しか配合できない
アフターミックス
個々のコーヒー豆に最適なレベルで焙煎し、あとから配合するやり方です。豆のポテンシャルを最大限に活用することができ、結果としてキャラクターの立ったブレンドを作ることができます。
アフターミックスのメリットは、
- 風味が強く、個性を出せる
- 表現できる風味の幅が広い
アフターミックスのデメリット
- 焙煎の回数が増えて手間がかかる
- 尖った味になることがある
ブレンドの焙煎について考える
コーヒー豆を混ぜてから焙煎するプレミックスでは、ひとつ注意点があります。
基本的に、
「豆の大きさは同じものを使用する」
ことです。
豆の大きさが違うと、火の通るスピードが変わってきますので、ムラの原因になります。風味の濁りの原因にもなりますので、できる限り大きさは統一した方が良いです。
大きい豆でも焙煎スピードが早かったり、小さい豆でも実が締まっていて火の通りが悪かったり、そんなイレギュラーも良くあります。豆の個性をよく見極めてから配合しましょう。
コーヒーブレンドレシピ作りのコツ
キャラクターの立った、強い風味のブレンドのレシピ作りのコツがひとつあります。
適当な豆をブレンドすると、味が濁って個性が失われます。また、多くの豆を配合することによっても、味の濁りは発生します。
不味くはないのですが、良くも悪くも、「チェーン店のよくある味」になります。言葉は悪いですが、「最低限の美味しさ」ですね。
そうではなく、豆の長所をかけ合わせて、一段次元の高い風味を実現したいところです。その為には、「豆の風味の傾向を揃える」ことが重要です。
柑橘系の風味のコーヒー豆がベースなら、その傾向の豆のみを配合する。
ナッツ系の風味のコーヒー豆がベースなら、ナッツ系の豆のみを配合する。
このように、風味の傾向を揃えて配合することが基本形です。
その上で、アクセントとなる風味を持ったコーヒー豆をちょい足しで配合するのは、アリです。
ブレンド名の名付けルール
商売する方向けですが、ブレンド名の名付けには一定のルールがあります。
全日本コーヒー公正取引協議会が定めた規約を遵守しましょう。
① ○○ブレンドと名付ける為には、○○を30%以上配合になければならない
例:
キリマンジャロブレンド・・・キリマンジャロを全体の30%以上になるように配合しなくてはなりません。ただし、キリマンジャロの配合比率がトップである必要はありません。キリマンジャロ30%、ブラジル70%でもOKです。
例:
キリマンジャロブレンド・・・キリマンジャロを全体の30%以上になるように配合しなくてはなりません。ただし、キリマンジャロの配合比率がトップである必要はありません。キリマンジャロ30%、ブラジル70%でもOKです。
※豆の銘柄名(キリマン・モカ・マンデリンなど)を使用しないのであれば、この限りではありません。何でもOKです。
② キリマンジャロやマンデリンなど、各銘柄の名称を使用する場合も要注意
例:
キリマンジャロ・・・タンザニアにて生産されたアラビカ種
マンデリン・・・インドネシアの北スマトラ州かアチェ州にて生産されたアラビカ種
例:
キリマンジャロ・・・タンザニアにて生産されたアラビカ種
マンデリン・・・インドネシアの北スマトラ州かアチェ州にて生産されたアラビカ種
その他、モカマタリやハワイコナ・ブルマンなどにもルールがあります。
必要な方は、コチラをご一読ください。
ブレンドのネーミングは、めちゃくちゃ重要です。味のクオリティと同じか、もしかしたらそれ以上に、です。
風味の特徴を想像でき、分かりやすく、季節感もある名前だと最高です。ここだけの話、ひらがなの名前が最強です。英語など使っておしゃれな名前をカタカナで付けたくなりますが、もう一度言います。ひらがな最強です。売れ行きが全く異なります。
コーヒーブレンド おすすめレシピ10選
コーヒーブレンドの最新おすすめレシピを公開します。
プレミックスのブレンド
配合 グアテマラ60%:インドネシア20%:エチオピア20%
焙煎 フレンチロースト
コスパ ⭐⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐
配合 ブラジル60%:グアテマラ40%
焙煎 フルシティロースト
コスパ ⭐⭐⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐
配合 パプアニューギニア50%:エチオピア50%
焙煎 シティロースト
コスパ ⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐⭐
配合 コロンビア60%:タンザニア20%:エチオピア20%
焙煎 シティロースト
コスパ ⭐⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐⭐
配合 エチオピア60%:ルワンダ40%
焙煎 ハイロースト
コスパ ⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐⭐⭐
アフターミックスのブレンド
配合 インドネシア(フレンチ)70%:エチオピア(シティ)30%
コスパ ⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐⭐⭐
配合 ブラジル(フレンチ)60%:タンザニア(シティ)20%:グアテマラ(フルシティ)20%
コスパ ⭐⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐
配合 グアテマラ(フルシティ)70%:エチオピア(シティ)30%
コスパ ⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐⭐⭐
配合 パプアニューギニア(シティ)70%:インドネシア(フレンチ)30%
コスパ ⭐⭐⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐
配合 エチオピア(ハイ)60%:コスタリカ(シティ)20%:コロンビア(シティ)20%
コスパ ⭐⭐
ボディ ⭐⭐⭐⭐
香り ⭐⭐⭐⭐⭐
生産国でざっくりと提示しましたが、地域や農園・生産方法・品種などによって、相性は変わります。あくまでも参考として見てください。
コーヒーのブレンドレシピ【配合の方法や考え方】まとめ
昨今は、コーヒー豆の品質が向上して個性がハッキリしている風味が好まれるようになってきました。
コーヒーブレンドのレシピもその影響を受け、「原価低減の為の普通の風味」を目指すのではなく、「キャラクターのハッキリした風味」のブレンドレシピを採用するお店が多くなってきました。
豆の個性を最大限に活かす為には、やはりアフターミックスに一日の長があります。
例えば、
深煎りのマンデリンと、やや浅煎りのエチオピアモカを配合してみます。すると、深いコクと、華やかな香りとアフターフレーバーが同時に楽しめます。
このように、アフターミックスを上手に行うと、非常に印象深い風味になります。
それぞれの豆の良い部分引き出し、寄せ集める。そして、ひとつの豆では実現できない、個性や奥行きのある味を実現する。コーヒーのブレンドレシピは、その為にあります。
ブレンドの配合は色々と試してみると面白いです。まれにビックリする程の美味しさとの出会いが生まれます。是非、楽しんでやってみてください。
今日はこんな感じです。
ありがとうございました!