パニックになりますよね。
今日はその対策となるお話です。
カフェ開業までの流れ【まずは全体像を掴む】
カフェ開業までのおおまかな流れは次のとおり
- テナント探し
- テナント契約
- 融資の申請
- 内装見積
- 保健所にレイアウトの相談
- 消防署に防火対象物工事等計画届出書の提出
- 内装施工
- ライフライン開通
- 機材・資材の搬入
- 必要であれば、消防署に防火対象物使用開始届出と防火管理者の専任届の提出
- 保健所に営業許可申請
- 開店
「おおまかな流れ」と書いておきながら、結構なボリュームですね・・・。
さらにこれらをやりながら、同時並行で
- 厨房機器や食器の選定や購入
- 家具類の選定や購入
- 資材や食材の選定や購入
- プライスカードの作成
- POPやポスターなどの作成
- メニューや商品の作成
- SNSやHPの開設
などなど、やることは盛りだくさんです。
もうパニックですね。
でも、大丈夫です。
やるべきことのリストを把握し、カフェ開業までの流れを理解して、淡々とこなすだけです。
カフェ開業は何から準備を始めるか?
カフェ開業は何から手を付けるべきか?
もちろん、テナント探しですよね。
これが決まらないと始まりません。
テナント探しと同時にやることは、見積書集めです。
融資を受ける場合に必要になります。
厨房設備などの機材、カップなどの資材・食材の見積は早めに集めておきます。
同時進行で融資の手続きも進めます。
窓口に相談に行き、必要書類は全て記入を済ませ、いつでも申請できるようにしておきます。
テナントの内見をしてOKであれば、テナント取得にかかる費用の見積書を不動産屋さんからもらいましょう。
これも融資の手続きに必要になります。
- 電気の容量(通常電力容量チェックと同時に200Vの動力があるか?)
- ガスは引いてあるか
- トイレは共用が使えないか?
- 焙煎機を置くならダクトの設置場所(壁に穴開けて換気扇を付けられるか)
- 間口は広いか(通りに接している面は広いほど良い)
- メジャーを持参して間取りの寸法をチェック(レイアウト図作成の為)
そして、テナントの申込書を提出して、正式に入居を申し込みます。
申し込みは契約ではありません。いつでもキャンセルが可能です。良いテナントであれば多くの申し込みが殺到します。10件申し込んでやっと1件契約できる、くらいの気持ちでいきましょう。
テナントへの申し込み時には、契約日がいつになるか、必ず聞くようにしてください。契約日から家賃が発生しますし、内装工事が始められるのもその日からです。
できれば、少しでもいいのでフリーレント期間が欲しいです。
契約してからも、家賃が発生しない期間のことです。
人気のあるテナントの場合難しいですが、1〜2ヶ月の期間を設定してくれる場合もあります。契約日〜店オープンまで2ヶ月くらいかかりますので、ダメ元で交渉する価値はあります。
不動産屋さんに相談して感触が良ければ、フリーレント期間を条件に入れて申し込みましょう。
テナントの申し込みまでの流れ まとめ
- テナント探しと同時に見積書集めをしておく
- 融資の相談、書類の準備も済ませておく
- テナント内見と同時に物件取得の見積をもらう
- テナント申し込みと融資の申請は同時進行
- テナント契約日はいつになるか聞く
- フリーレント期間を交渉する


カフェ開業 テナント契約までの流れ
テナントに申し込みを済ませたら、物件の見取り図も不動産会社から取り寄せ、店のレイアウトも決めましょう。契約前で早いと思われるかもしれませんが、ここで決めないと次が進みません。
使用する厨房設備などの機材は全て配置を決めてレイアウトする。
重要なのは
- 厨房設備などの機材の配置
- シンクなどの水回り
- 電源設置箇所(設備によって100V、200Vがあります。業務用エアコンも忘れずに)
- ガス使用器具
- 浄水使用機材(製氷機・コーヒーマシン)
また、申し込みから何日かしたら、不動産屋さんに大家さんの感触を聞いてみましょう。大家さんが前向きなようであれば、契約できる確率はかなり高いと見ていいです。そうなると、色々と急がなくてはなりません。
内装業者さんに声をかけて見積依頼を行います。
テナントにもう一度内見を行い、今度は内装業者さんと一緒に行きます。必要な寸法を測ってもらいつつ、どこに何を設置するのか作成したレイアウト図を見せながら説明します。
必要な電源の数や容量、壁や床などの素材感、照明、細かいところまで全部伝えます。
このとき使う機材のリストを渡しながら、電気の容量は足りるか、ガスの容量は足りるか、必ず聞いてチェックしましょう。内装業者さんでも人によっては計算できない場合がありますので、その場合は宿題にして持ち帰ってもらいます。(少し難易度は高いですが、自分で容量を計算して自分で電気工事業者さんを手配してもOKです。費用が安く済みます。)
内装業者さんからは、正式な見積を出すにあたって、必要機材の承認図の提出を求められます。必要な機材を全てリスト化し承認図を揃えて提出しましょう。
厨房機器の見取り図のようなものです。
ミリ単位の正確なサイズや使用する電源などの動力の情報が書かれています。厨房設備など業務用の機材であれば、ネット上で型番から検索すれば出てきます。
正式な見積の作成には2週間ほどかかると見込んでおきます。ただし、概算の見積書ならすぐに出してもらえます。融資に必要になりますので、お願いしましょう。
大家さんがOKで入居審査が通ったら、契約の準備となります。不動産屋さんから契約内容などの重要事項の説明があります。このときに手付け金(家賃1ヶ月分)を支払う場合もあります。契約日も決めなくてはいけませんが、なるべく先延ばしするように交渉しましょう。
この段階で、内装業者さんには正式な見積をお願いし、融資の申請も済ませます。
その後、契約書などの準備ができ次第、テナントの契約を交わします。この段階で保証金などの物件取得する為の費用の支払いが必要になります。
テナント契約までの流れ まとめ
- 入居申し込み後、すぐにレイアウトを考案する
- 使う機材の承認図を集めておく
- 大家さんの感触を早めに掴む
- 内装業者と内見し、見積依頼をする
- 概算見積はすぐに提出してもらう

テナント契約〜工事開始までの流れ
通常は契約日から、工事開始が可能となります。ただし、正式な見積が出てくるのに約2週間、そこから工事資材や職人さんの手配に約2週間、工事開始までに最短で1ヶ月かかると見込んで下さい。
かなり期間が空きますが、この間にもやることはたくさんあります。カフェ開業までのメチャクチャな忙しい期間の開始です。
契約日〜工事開始までにやること
- 保健所対応(必須)
- 消防署対応(必須)
- 防火管理者取得(時間かかる)
- 電力工事申し込み(必要なら、特に時間かかる)
- ガス工事申し込み(必要なら)
- 厨房機器の購入・手配(納品は1ヶ月程度なら待ってもらえる)
- ライフラインの開通申請
- 食品衛生管理者取得
- クレカなど電子決済端末の申し込み(時間かかる)
- 家具購入
- 商品の選定(原材料の選定)
- 商品の試作
- プライスカード作成
- POPやポスターなど作成
- SNS開通やHP作成
- 商品発送の配送業者選定(ヤマト運輸など。コレクト使用開始するのに時間かかる)
(特に焙煎機は時間かかる)
やること盛りだくさんですね。笑
タスクをこなす順序も大切です。
重要なものだけ説明します。
保健所対応
内装業者さんが見積と同時に図面を作ってくれます。
それを持って、保健所に行って相談しましょう。必ず工事開始前に余裕をもって行ってください。
営業許可を取得する為に、アドバイスをいただけます。
- 営業許可はどの種類にするのか?
- 例えば喫茶店の営業許可を取得するとして、何が条件なのか?
- 水回りの配置やシンクの大きさは大丈夫か?
などなど、チェックするところはたくさんあります。飲食店に詳しい内装業者さんならば、こちらがチェックしなくても万全なレイアウトにしてくれますが、それでも一応保健所に確認取った方がいいです。
内装工事が終わると、営業開始前に保健所のチェックを受けますが、そこでこれでは許可が下りません、ってことの無い様にしましょう。
また、営業許可申請するにあたって食品衛生責任者の資格が必要になります。1日で取得できますが、申し込みは早めに済ませておきましょう。
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消防署対応
内装工事を始める前に、防火対象物工事等計画届出書の提出が必要です。これは通常内装業者さんが提出してくれますので、ちゃんとやったかどうかだけ確認はしましょう。(言わないとやらない業者さんもいます。)
テナントによっては、店のオープン前までに防火管理者の選任届けが必要な場合があります。
ざっくり言うと、テナントがあるその建物全体で常時30人以上が働いていて、50人程度の不特定多数の人の出入りがある。このような建物内で開業する場合、必要になります。
防火管理者は2日間の講習があります。講習の予約をしようにもかなり先まで埋まっていることがありますので、予約はお早めに。
電力工事とガス工事
電力が足りなかった場合、ガス管がテナントまで引かれていなかった場合、それぞれの工事が必要です。建物内でのやりくりで済むならば、内装業者さんにお任せでOKです。期間もかかりません。
建物自体に電力が足りなかったり、200V動力が引いてなかったり、ガスが来てなかったりすると、問題です。電力会社やガス会社に頼んで、工事をしてもらう必要があります。
そして電力会社やガス会社は大会社です。殿様商売。めっちゃくちゃ動きが遅いです。開通に1ヶ月以上かかることもザラです。ここの申し込みが必要な場合、テナント契約を交わしたらすぐに手配しましょう。
ここは、多くの人がつまずくポイントです。注意してください。
厨房設備の手配
厨房設備やコーヒーマシンなど、必要な設備の手配を行います。
特に時間がかかるのは、焙煎機です。最短で1ヶ月、長くて3ヶ月かかる場合もあります。コーヒーの自家焙煎を行うのであれば、真っ先に手配しましょう。
その他、冷蔵庫などの厨房設備は中古で揃えると安いです。購入しても1ヶ月ほどは納品を待ってもらえる業者さんもいますので、良い状態のものを見つけたら早めに購入しても大丈夫です。
電子決済端末の申し込み
導入は必須ではありませんが、コロナの影響で電子決済の需要が高まっています。
この端末は申し込みから使用開始まで2ヶ月ほどかかる場合があります。ネット回線や電話回線が無いと申し込みもできない可能性もありますが(未確認です)、早めの申し込みをおすすめします。

内装工事までの流れ まとめ
- 内装業者さんが見取り図を作成したら、保健所に行ってレイアウトの確認をとる。
- 工事開始7日前までに消防署に防火対象物工事等計画届出書を提出(内装業者さんに頼む)。
- 電気工事とガス工事が必要な場合、可能な限り早く申し込む。
- 必要な設備・機材は購入しておく。
電話の開通は早めに申し込み、電話番号を取得しておくと、手続きに何かと便利です。

カフェ開業 オープン日までの流れ
内装工事は始まってしまえば、一瞬です。たいていは2週間程度で終わります。内装が終了すれば、オープン日まであとわずか。やることを整理しましょう。
ここでも順番が大切です。
①保健所への営業許可申請
営業許可を受領するまでに、保健所の担当の方がお店にチェックに来られます。担当者のスケジュールが埋まっていることがありますので、内装工事が終わる直前に申請するくらいでちょうど良いです。
担当の方が店に来る日は、オープン1週間前くらいが良いでしょう。機材の搬入や家具の設置が終わった日あたりに来店していただけるようにお願いします。
②使用する家具、機材や設備の搬入。
内装工事中から、搬入できる機材があったら設置していきましょう。浄水器と繋げる必要のある製氷機やコーヒーマシンは水道工事が入る前に搬入します。中古で購入した場合、水道屋さんに頼んで接続してもらいましょう。
③消防署への届け出
オープン7日前までに防火対象物使用開始届出書の提出が必要です。防火管理者を選任しなければならない場合、このタイミングで選任届けも提出します。その後、消防計画の提出を求められますが、これはオープン後でも大丈夫です。
④保健所の担当者の査察
保健所の担当職員の方がお店に来店され、営業許可を出せるかチェックします。このときまでに必要な機材や家具類の設置は全て済ませておきます。
主に衛生面のチェックとなり、
- トイレの設置
- 食器洗い用シンクや手洗い用シンクの設置、その場所
- カウンターの設置
- トイレからカウンター内までどのようなレイアウトになっているか
- 食器をしまう扉付きの棚があるか
このようなことをチェックされます。
⑤営業許可書の受領
チェックしてOKであれば、数日後に営業許可証を受領することができます。保健所に受け取りにいきましょう。
⑥プレオープン
できれば関係者を招いて、プレオープンを行いたいです。店のオペレーションの練習や手順の確認を行います。
⑦オープン
近隣の方々も、新しいお店のオープンは楽しみで注目してくださいます。オープンまでの間に店頭にポスターやチラシを設置し、認知をひろげることはとても有効です。
また、オープニングセールの開催は非常に効果があり、多くの方の来店を期待できます。店頭でのセール告知は、内装工事開始あたりからやってみましょう。
オープンまでの流れ まとめ
- まずは保健所に営業許可申請
- 機材や家具の搬入・設置
- 消防署へ届け出
- 保健所担当者のチェックを受ける
- 営業許可書の受領
- オープン
この順番でこなしていきます。
カフェ開業までの流れ【失敗しない為の手順を公開】まとめ

テナント契約開始からオープンまでは、死ぬほど忙殺されて本当に死にます。(語彙力・・・)
特に1店舗目であれば尚更です。
この記事でアタマのなかを整理して、淡々とこなせるようにしていただければ、こちらも嬉しいです。
プライスカードやPOP、ポスターなどの販促物の作成は、かなり時間がかかります。頭も使いますので、1日に製作できる量は限られます。販促物作成のスケジュールは別で独自に作成して、毎日少しずつやっていくことをおすすめします。
カフェ開業までの準備は、
- 不動産の契約
- 内装工事
- 保健所対応
- 消防署対応
- ライフライン申し込み
- 設備や機材の手配
- 資材や材料の購入
- 商品や販促物の作成
などなど、多くのことを同時進行こなさなければならず、しかも順番が重要だったりします。これをやらないと、アレができない、なんてことが多々あるからです。
さらにこれに資金の確保が加わったりします。マジで大変ですね・・・。
私は1店舗目のときは自分の(そのときの)本業と同時進行でやりましたので、忙し過ぎて寝る時間もなく、食欲も完全になくなり、結果、痩せました。笑 一生に一度は、こんなときがあってもいいかもしれませんね。
この記事を読めば効率的に動くことができますので、少し余裕が出るはずです。そして一度こなすことができれば、2店舗目からは楽勝になります。
頑張ってみてください。
今回は以上です。
ありがとうざいました。
