鳥取エリアのコーヒー専門店レポートです。
人口が少ない割には、全国区でも有名なコーヒーショップを排出している県。
私なりに探ってみました。
服部珈琲工房 米子店(鳥取県 米子市)
鳥取、島根で8店舗展開しているコーヒー店。
山陰のコーヒー界の雄、のようなチェーン店ですね。
地方には、その地域を牽引しているお店が必ずあります。
そのような成功しているお店を見るのは、とても勉強になります。
お店の特徴
車の交通量の多い通り沿い。
入りやすい駐車場。
広くて客席数の多い店内。
入り口には雑貨や食品の販売スペース。
モーニングやランチもやっていて、全方向的に充実。
こんな感じが、地方で昔から成功しているコーヒーチェーンのテンプレかもですね。
しっかり地域の方々の生活に食い込んでいて、鉄板な商売のやり方なんだろうなと思いました。
コーヒーの特徴
意外だったのが、店頭にコーヒー豆売りのディスプレイがほぼ無かったこと。
ギフトやドリップバッグの展示はありましたが、豆売り目立たなかったです。
ではどこで売っているのか?
答えは「客席」でした。
それぞれの席に、木材に貼り付けたメニューが掲示。
客席が多く、店内飲食が中心のお店であれば、これが正解なのかもですね。
通常の豆売り店でも取り入れるべきだと思いました。
少しでも店内に客席を設けているお店であれば、このような掲示物を作らない手は無いですよね。
私にとっては盲点でした。
そして、ひとつ感心したのが
アイスコーヒーの氷が、アイスコーヒーを凍らせたものであること。
そして、それをちゃんとアピールできるように、お客様自身がグラスに注ぐ仕組みになっていること。
細かい部分までこだわりを感じます。
多くのコーヒー屋がやりたいと思ってても、手間を考えると手を出せない領域。
チェーン店でここまで取り組めるのは、素晴らしいと思います。
ちなみにドリップバッグは、
こんな感じ。
ここは、普通でしたw
商売上気になった点
お店入ってすぐには雑貨類の販売コーナーでした。
陶器やギフト類などですね。
コーヒーカップなど陶器類の販売と、コーヒー豆販売を組み合わせるのは、昔から広く行われていました。
相性が良いんでしょうね。
それなりの合理性があると思います。
長くコーヒーで商売をされているだけあって、色々な部分でノウハウの蓄積を感じるお店でした。
ドリンク類やコーヒー豆の価格帯なども含めて、多くの部分が参考になります。
ショップデータ
服部珈琲工房 米子店
営業時間:8時半〜17時半
不定休
»お店公式HP
IGNIS COFFEE ROASTER(鳥取県 梨浜町)
昔、雑誌か何かで見たことが多分あって、その時に
「鳥取でそんな意識高い系のお店やって大丈夫!?」(失礼)
と思った記憶がw
お店の特徴
お店のテナントの形は変則的なんですが、客席はゆったりしてて、窓から海が見えてることもあって、くつろげる雰囲気でした。
通常、ここまでオシャレなお店は居心地が若干悪いものですが、このお店はとても居心地が良いです。
客席にお店の人の視線が届きにくいこと、
靴を脱いで上がる席があること、
単にオシャレではなく、かわいかったり柔らかい雰囲気があること。
こんなことが影響しているのかもです。
ビーチ沿いのお店なので、窓から見た景色がまるで1枚の絵画のようでした。
コーヒーの特徴
店内には2台のフジローヤルが鎮座。
コーヒーの種類は抑えめですが、各国の最高級の豆がセレクトされておりました。
コーヒーは、全ての種類から選ぶことができるそうです。
注文すると、カウンターでハンドドリップで淹れてくれます。
もちろん、豆売りやドリップバッグ販売も。
シンプルでオシャレです。
商売上気になった点
とても見やすくわかりやすいメニュー表記と、
お店の分かりやすい説明。
イラストを多用する点やカラーリングなど、センスを感じます。
内装も、テーブルに花があったり、全体的にオーガニックな雰囲気だったり。
やわらかい空気感が出てました。
突き抜けた意識の高さ、オシャレさは、毒にもなる。
入店のハードルを上げてしまったり、店内の居心地の悪さに繋がったり。
ただ、やりようによっては、お客様に意識が向いていれば、毒を無害にできる。
そんなことを学ぶことのできたお店でした。
ちゃんと昇華されている良店でした。
ショップデータ
イグニスコーヒーロースター
営業時間:8時〜16時
定休日:火・水
»お店公式Instagram
TOTTORI COFFEE ROASTER(鳥取県 鳥取市)
鳥取市内ですが、車通りの多い通りから少し入った目立たない場所にあるロースタリー。
店内が広く、販売ディスプレイや客席が雑多に散らばっているお店でした。
お店の特徴
店内席が充実していて、モーニング・ランチ、スイーツなどフードメニューが充実。
焙煎機も置いてあって豆売りにも力を入れています。
このような全方向的に頑張るお店が、鳥取には多い印象です。
発送作業の資材なども売り場に雑に置かれており、工場感がありました。
これはこれで、良いですね。
コーヒーの特徴
コーヒーの種類は20種類くらいでしょうか?
ブレンドの種類が多かったです。
また、フェアトレードに力を入れており、専用のコーナーがあるくらいでした。
このような取り組みは、お店のブランディング的にも良いですね。
安いブレンドで200gあたり850円くらいから。
良心的な価格。
風味の説明書きも、
専門用語を使わず、誰でも通用する分かりやすい表現でした。
この部分は、お店の姿勢が露呈する部分です。
こちらのお店はお客様に寄り添う姿勢が感じられます。
ドリップバッグもあって、
こんな感じ。
コーヒー好きには刺さるイラストです。
商売上気になった点
店内には色々なインテリアや雑貨で飾り付けられ、ディスプレイや客席も雑然としていました。
ただし、それでも嫌な感じはなく、どこか居心地のよさに繋がっていました。
多分、細かいところまでのこだわりと気配りがあったからだと思います。
例えば、アイスコーヒーについてきたシロップ。
オーガニックのシロップです。
コストがかかりますので、ここまでこだわれるお店は珍しいです。
あと、スイーツのプレートにつけ合わせでついていたお菓子。
仕入れ先の情報をカードにして付けています。
製造者としては、この気遣いは嬉しいですよね。
そして、客席の電源。
電源がある席の設置は珍しくないですが、なんと充電器付きw
気づかいが染み渡ります。
ショップデータ
TOTTORI COFFEE ROASTER
営業時間:10時〜17時(土日は18時まで)
»お店公式HP
アフェクショネイト珈琲(鳥取県 吉岡温泉町)
鳥取市の山の中、小さな温泉街のコーヒーショップです。
見た目は街に溶け込む古い家屋ですが、中はコテコテのおしゃれなコーヒーショップでした。
お店の特徴
店内席も一応ありますが、ほぼコーヒースタンド。
駐車場が広く、ベンチがいくつかありますので、テイクアウトして外で飲むのがおすすめです。
鳥取エリアにしては珍しくコーヒー特化型。
フードは無いお店でした。
コーヒーの特徴
ブレンドはなくてシングルオリジンのみ。
アナエロビック、インドやネパール産など、比較的珍しい豆がラインナップされていました。
個性的な品揃えが楽しいです。
もちろん、エチオピアやインドネシアなど、定番の国はカバー。
品質も、スペシャルティの良いやつをピックアップされている様子でした。
200gあたり1,150円からと、良心的な価格設定です。
ドリップバッグのパッケージは、
なんとOPP袋w
これは、面白いです。
ライト層にも中身が一瞬で分かってもらえるので、アリですね!
原価も安いだろうし。
商売上気になった点
2店舗展開されているようですが、両方ともに山間部のロケーション。
しかも、日本的な家屋のテナントとなっています。
店内やパッケージはモノクロでカッコいい系。
立地と外観と中身のギャップが楽しいお店でした。
このギャップは、集客につながるかもですね。
当たり前に両方のDNAを我々は持っていて、好きな部分を自由に取り入れる。
和と洋を統合する店作りは、共感できます。
ショップデータ
アフェクショネイト珈琲
営業時間:10時〜16時
定休日:月・火
»お店公式HP
鳥取エリアは以上です。
人口が少なく市場が小さいからでしょうか?
お店のオーナーさんの涙ぐましい努力を感じるお店が多かったです。
この努力の積み重ねが、全国に通用するコーヒー店を排出する原動力なのかな、と思いました。