どんなコーヒー豆を使えばいいの?
実は、簡単です。
例えるなら、鍋をつかって米を炊くくらいの難易度です。
水加減と火加減が最初はとまどいますが、2〜3回やればだれでも美味しく炊けますよね。
コーヒー豆の焙煎をフライパンでやるのは、それと同レベルです。
- フライパン焙煎に必要なモノ
- コーヒー生豆の買い方
- 失敗しないフライパン焙煎のやり方
- 生豆の取り扱いや保存方法
- 焙煎のマニアックなこだわりポイント
- 初心者でも焙煎しやすいおすすめな豆
- フライパン焙煎の動画もあり
自宅で焙煎ができると、いつでも新鮮で美味しいコーヒーを飲むことができます。
しかも安い!
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コーヒー豆のフライパン焙煎に必要な道具【家にあるもので十分!】
コーヒー豆のフライパン焙煎は家にいまある道具でできます。
新しく買うものはありません。
気軽にできるのがいいですね。
- フライパン・・・鍋でも大丈夫です。
- 生豆・・・最低50gは用意して下さい。
- ドライヤー・・・冷却のときに使用します。
- コンロ・・・IHでも大丈夫です。
- ステンレス製のザル・・・なければボウルや陶器製の器などでも良い。
コーヒー豆フライパン焙煎の方法を解説します。IH可
さて、コーヒー豆焙煎の方法、フライパン編です。
実際にやってみましょう。
フライパン焙煎は何グラムで焙煎するべき?
生豆は50g以上、できれば100g以上一度に焙煎して下さい。
2週間程度で消費しきれる、200程度がおすすめです。
豆の量がある程度あると、焙煎は安定してムラができにくくなります。
なぜなら、焙煎の後半では豆同士が熱を持ち、お互いに熱することで焙煎が進むからです。
【第一段階・水抜き(蒸らし)】3〜5分
弱めの中火であたためたフライパンに生豆を投入し、3〜5分程度水抜き(蒸らし)ます。
豆の撹拌はずっとやり続けます。
フライパンを振るか、木べらで撹拌します。
生豆の中に含まれる水分が100度に達し、蒸発していきます。
【焙煎】
中火で本格的な焙煎を開始。
豆はずっと撹拌し続けます。
疲れたら少しくらい手を止めても大丈夫です。
IH使用する方は、フライパンを振るのではなく、木べらを使っての撹拌が良いかと思います。
フライパンにフタをしてムラを防ぐのもいいかもしれません。
【1ハゼ】7〜9分
少しこもったパチパチという豆がはぜる音が聞こえてきます。
これが1ハゼと呼ばれるものです。
少し火力を弱めて中火にしても良いです。
浅煎りに仕上げる場合は、火力を弱めましょう。
豆の薄皮(チャフ)が剥がれおちてきます。
2〜3分程度でパチパチは収まります。
1ハゼ開始時に焼き上げるとシナモンロースト。
1ハゼ終了時に焼き上げるとミディアムローストです。
1ハゼ終了〜2ハゼ開始まで
1ハゼ終了〜2ハゼ開始まで、1分〜2分くらいの間隔が空きます。
間隔が空かずにつながってしまう場合がありますが、その場合は火力が強いです。
1ハゼ終了〜2ハゼ開始までの中間地点で焼き上げると、ハイローストです。
【2ハゼ】9〜12分
8〜11分程度で今度は少し高い音でパチパチと聞こえてきます。
2ハゼです。
火力を抑え中火にして下さい。
豆も熱を持ち、豆同士の熱でどんどん焙煎が進みます。
2ハゼ開始時に焼き上げでシティロースト。
2ハゼピークでフルシティロースト。
2ハゼ後半でフレンチロースト。
2ハゼ終了時でイタリアンローストになります。
【豆の冷却】
焙煎を止めたら、すぐに別の器に豆を移して下さい。
ステンレス製のザルがあれば最高です。
ドライヤーの送風で、冷却して下さい。
すぐに冷却しないと、豆の持つ熱で焙煎が進んでしまいます。
チャフが周辺に飛び散ります。
家が汚れるのが嫌な方は、外に行ってうちわを使って冷却してください。
コーヒー豆 フライパン焙煎の動画
コーヒー豆焙煎をフライパンで行うやり方を4分の動画にしました。参考にしてみて下さい。
2ハゼ来てすぐ煎り止めしており、シティローストにしています。
コスタリカ
タラス地区
プロミティーダ農園
ブルボン種
アナエアロビコ(嫌気性発酵)精製
焼き上がりです。
なかなか上手に焼けたのではないでしょうか。
コーヒー豆の焙煎具合の基本7段階
【シナモンロースト】
1ハゼ始まったあたり。
少し生豆の青臭さが残る。強い酸味。苦味はない。ブルマンなどのクセのない透明感がある豆は、このレベルで飲まれることも。
【ミディアムロースト】
1ハゼ終わりあたり。浅煎り。
苦味はなく、酸味が強く出る。最近のサードウェーブでは好まれる焙煎。フルーティな豆の華やかな酸味を活かす場合に。
【ハイロースト】
1ハゼ終わりと2ハゼ始まりの中間。浅めの中煎り。
酸味寄りだが、バランスのとれた風味。フルーティさを活かしつつ、コーヒー感も出したい場合に。
【シティロースト】
2ハゼ始まったあたり。中煎り。
酸味と苦味のバランスをとる焙煎レベル。色々な豆に適用できる守備範囲が広い焙煎。
【フルシティロースト】
2ハゼピーク。深めの中煎り。
酸味が少なくなり、コクと苦味がよりいっそう強調される。固くて強い酸を持つ豆はこのレベル以上で。
【フレンチロースト】
2ハゼ終わりあたり。深煎り。
豆の表面に油が浮いてくる。エスプレッソは一般的にこのレベル。カフェオレにも良く合う。
【イタリアンロースト】
2ハゼ終了したあたり。極深煎り。
豆が黒に近い色になり、全面的に油が浮いてくる。アイスコーヒー向き。または、極端に苦味が好きな方向け。
焼き止めのタイミング
基本的には、焼き止めのタイミングはハゼの音で判断します。
コーヒー豆の色ではありません。
ネット上に出回っている、それぞれの焙煎レベルのコーヒー豆の色は、あまり気にしないでください。
焙煎するやり方によって、色は変わります。
フライパン焙煎では、少し濃いめの色になります。
お好みの焙煎レベルで煎り止めして、すぐに冷却しましょう。
コーヒー豆焙煎 フライパンの失敗しないコツ
フライパン焙煎の失敗しないコツは、以下の4つのポイントを意識して下さい。
- 水抜きは弱めの火力でじっくり
豆の色が黄色くなるまで、5分以上かかっても良いです。ゆっくりなほど、ムラになりにくい。
- 焙煎開始したら、しっかり熱を伝える
ハゼをしっかりと起こす為には、しっかり火力を加えることが重要です。
- 火力は強すぎず
必要以上に火力を強くすると1ハゼと2ハゼが繋がり、焼き止めのタイミングが分からなくなります。
焙煎が早く進み過ぎたことで、起こる現象です。
この場合、味も濁りがちです。
目安の火力は、
水抜きが終わってから1ハゼが起こるまで3分程度であること。
- 1ハゼで火力の調節
1ハゼが来たタイミングで火力の調節をしても良いです。
焙煎の進みが早すぎるな、と思ったら弱く、
遅すぎると思ったら強く、
火力を調節してみましょう。
ただし、調節は微調整の範囲です。
少しの火力の調整で、大きく変化します。
コーヒー豆をフライパンで焙煎する3つのメリット
自宅でコーヒー豆をフライパンで焙煎するにはたくさんのメリットがあります。主なメリットを3点挙げてみます。
美味しい! コーヒーは鮮度が命。
コーヒーは鮮度が命。
焙煎後3〜5日目が香りがもっとも強いです。
焙煎後は熟成が進みますので、日々味が変化し、その変化も楽しむことができます。
ちなみに、焙煎直後のコーヒーは少しスモーキーです。
焙煎後はけむり臭さが抜けるのに3日程度かかると言われています。
安い!コスト3分の1に!?
生豆は驚くほど安いです。
通常販売されている豆の3分の1程度の値段で買えたりします。
今はネットで100gから安く手に入ります。
保存に便利!たくさんの種類を保管できる
生豆は保存性に優れています。
冷暗所で長期保存できます。
だから色々な種類の豆を買い置きしておいても大丈夫。
沢山の種類のなかから、その日の気分で選べる楽しさも体験できます。
このように、コーヒー豆をフライパン焙煎することは色々なメリットがあります。
コーヒー生豆の買い方・保存など取り扱いについて
コーヒー生豆はネットで安く購入することができます。
その買い方・保存方法を解説します。
生豆の買い方
生豆はネットで購入できます。
「生豆 コーヒー」などで検索すると色々とヒットします。
Amazonや楽天でも取り扱いがあります。
また、コーヒー専門店でも、オーダー毎に焙煎してくれるようなお店なら、生豆の取り扱いがあります。
店員さんに聞いて見て下さい。
お店によりますが、少し割引きが受けられる場合もあります。
生豆の保存
生豆は冷暗所で常温保存して下さい。
乾燥させたくないので、ビニールなどに入れると良いです。
光や振動などもできるだけ与えないようにしましょう。
上手に保存できれば、1年くらいなら風味は保たれます。
生豆を何年も寝かせてエイジングを楽しむ人もいます。
美味しくなるかは豆によると言われていますが、トライしてみるのも面白いかもしれません。
初心者向け【焙煎の難易度が低い豆】
条件としては、
・粒が揃っていること(ムラになりにくい)
・強い酸を持っていること(深煎りにしても大丈夫)
・ハゼ音がしっかり聞こえる
これらに当てはまるのは、
- グアテマラ(SHB)
- パプアニューギニア(AA)
です。()内はグレードです。
これらの豆は、
粒が揃っていてムラになりにくく、
深煎りにしても風味が良く、
ハゼ音がしっかり聞こえるので、
焼き上がりのタイミングが
つかみやすいです。
参考にしてみてください。
手網焙煎は美味しくない!?フライパン焙煎最強説
ネットでは専用の手網の焙煎器が発売されており、手網焙煎器の信者は多いです。
昔、こだわりをこじらせた人たちが手網焙煎をやりだし、色々とこだわりのノウハウがネット上で出まわりました。
しかし、手網焙煎とフライパンと両方やると良く分かりますが、フライパンの方が圧倒的に簡単です。
しかも上手に焼けます。
コーヒー豆焙煎 フライパンの優れているところ
- フライパン自体が熱を持つので、熱効率が良い。
- 豆が直接火に当たらないので、煎りムラが出にくい。
- コンロに置きながら焙煎できるので、手が疲れにくい。
ひとことで言って、楽で失敗しにくいです。手網焙煎よりムラになりにくい印象。
コーヒー豆焙煎 フライパンのデメリット
- 焙煎終了時の冷却がしにくい。
焙煎後の冷却するときに、ザルなど別の容器に移し替える必要があります。
手網焙煎のメリット
- 焙煎終了時の冷却がしやすい。
網に入れたまま冷却できますので、楽です。
手網焙煎のデメリット
- 手網焙煎器は熱が籠もらず、熱効率が悪い。
- フタが外れやすく、危険。
- 持ち手がすぐ熱くなる。
- ずっと持ちながら振り続けなければいけないので、手が疲れる。
- 煎りムラが出やすく、焙煎が安定しない。
火力がダイレクトに伝わる分、焙煎がピーキーで難しい印象です。
少しでも火力が強いと表面が焦げたり、1ハゼと2ハゼが繋がって、焼き上げのタイミングが掴めなかったり、そんな不具合が起こりがちです。
手網で直火の方が美味しい、という意見もあります。
人の好みの問題なので何とも言えませんが、一理あります。
火力の調節が細かくできるので、慣れれば自分好みの焙煎はやりやすいです。
コーヒー豆焙煎 マニアックなこだわりは必要か?
よく行われている、
- 欠点豆のハンドピック
- コーヒー生豆を水洗い
この2点のマニアックポイントを解説します。
欠点豆のハンドピックはするべきか
欠点豆の除去は、あまり気にしないで大丈夫です。
最近の豆は品質が上がっている為です。
焙煎後に明らかに色の違う豆(未成熟豆)を取り除く程度でOKです。明らかに他の豆とは違う豆を、除去するだけでOK。色が薄いヤツ、形がいびつなヤツ、焙煎後だと分かりやすいです。
確かに、豆の種類によっては、欠点豆が多く含まれるものもあります。欠けていたり、カビてたり、未成熟豆だったり。このような欠点豆を除外することで、味わいをクリアにすることができます。
生豆のピッキングをやってみたい、という方はこちらの画像を参考にしてみてください。
欠点豆の例
ピーベリー・・・1つの実に通常2粒の豆が実りますが、ピーベリーは1つしか実らなかった成熟不良の豆です。ただし、風味も特に劣らない為に通常は取り除きません。全体の1割程度がピーベリーになると言われています。
コーヒー生豆は水洗いするべきか?
味に対する影響は、何とも言えません。良い影響がある場合もあるでしょうし、悪い影響があることも考えられます。なので、風味を良くする為であれば、あまり意味があるとは言えません。
焙煎がやりやすくなるか、と聞かれると、
「どちらとも言えない」です。
確実なメリットとしては、
- 焙煎中に出るチャフの量が(少しだけ)少なくなる
このくらいです。
ただし、完全になくなるワケではありません。
どっちにしろ、チャフがとんで掃除は必要になります。
つまり、
やってもやらなくても、どちらでも良い
です。
水洗いのやり方としては、
お米を洗うイメージに近いです。
豆を揉み込むように洗い、
豆同士をこすり合わせます。
すると、このように皮がはがれてきます。
コーヒー豆のフライパン焙煎【失敗しないやり方】まとめ
コーヒー豆焙煎のフライパンでのやり方、その簡単さが伝わったでしょうか?
最低限のコツとして、
- 基本は中火で焙煎する
- 1ハゼの来るタイミングで、火力調整
- トータルの焙煎時間は10分前後
- 焙煎後、スグに冷やす
これだけ覚えれば十分です。
美味しく焼くことはスグにできます。
コーヒー豆のフライパン焙煎の簡単さ、楽しさが少しでも伝われば幸いです。
焙煎したコーヒー豆は、空気を遮断する密閉容器に入れ、常温で保存してください。
香りのピークは焙煎後3〜5日目。
焙煎直後は、少し味が濁り、香りもこもった感じになります。
常温保存で豆の熟成がすすみます。
風味がマイルドになり、味の良い変化は20日間ほど続きます。その間に飲みきるようにしましょう。
焙煎後、日々のコーヒーの味の変化、是非楽しんでみてください。
今回は以上です。
ありがとうございました。
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