でも、焙煎は何の経験も知識もありません。
独学で、コーヒーの焙煎ってできるようになりますか?
コーヒー焙煎の独学は十分可能です。
結論から言うと、コーヒーの焙煎を独学でマスターすることは、十分に可能です。それどころか、独学でプロ級になれます。
私は完全に独学で焙煎を学びました。
当時は情報があまり無かったのですが、本を読み・ネット上にわずかにあった情報を頼りに勉強しました。勉強で情報を仕入れはしましたが、基本的には自分で試行錯誤しながらマスターしていきました。
しかしそれでも、コーヒー豆が売れる繁盛店を2つ作ることができました。
今は、一昔前であれば有料級であった情報が、ブログやYouTubeなどで無料で公開されるようになりました。焙煎も例外ではありません。かなりコアな焙煎ノウハウの情報を、多くの人が発信しています。
当ブログもそのひとつです。家にいながら、プロでも通用するレベルのことを学ぶことは、十分可能です。
コーヒー焙煎独学の手順
それでは早速、コーヒーの焙煎を独学で学ぶ手段と手順を解説します。
①ネットや本で情報を仕入れる
YouTubeやブログ、本で情報を手にいれることができます。「焙煎 やり方」などで検索すると、たくさん出てきます。
そこで出てきた単語や詳細なノウハウに関わることを、さらにググります。「中点」「焙煎 時間」などです。
これを繰り返すだけで、情報は十分。
もし体系的に学びたいのであれば、本を読むと良いかと思います。業界の第一人者の田口氏のコチラの本は鉄板です。
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Kindleunlimitedなら、なんと無料で読めたりします。
オススメのコーヒー本は、コチラの記事でも解説しています。
②まずはフライパンで焙煎を始める
フライパンや鍋で焙煎を始めると、焙煎の基本がしっかり身につきます。
豆の色や爆ぜる音がハッキリと分かりますので、焙煎が進むにつれて豆にどのような変化が起こるのか、分かりやすいんですね。なのでフライパン、あなどれません。是非ここから焙煎道をスタートしてみましょう。
「焙煎はコーヒーの豆を煎るだけ」です。家にあるフライパンや鍋でも十分に美味しく焙煎することはできます。
コーヒーの生豆は安いです。いまある道具を使って、焙煎を始めることは、コーヒー代の節約にもなりますのでプラスしかありません。2〜3回やれば火加減を掴むことができますので、気軽にチャレンジしてみましょう。
フライパンでの焙煎はこちらの記事で解説しています。
③手回し焙煎器を買ってみる
フライパンや鍋焙煎で、コーヒーの焙煎がどう進むのか大体掴めたら、次のステップです。もう少し本格的にやってみたいという方は、手回し焙煎器を買ってみましょう。
家庭のガスコンロの上にセットし、生豆を入れたドラム部分を回転させて攪拌しながら焙煎をする器具です。ドラムの中に熱がこもるので、フライパンなどよりもムラ無く安定した焙煎が可能です。
また、取っ手をクルクル回すだけで豆を攪拌してくれるので、とても楽です。なかには、モーターが付いていて自動で回転してくれるものもあります。
自動攪拌機付きのタイプだと、商用でも使えるレベルです。実際に、このタイプの焙煎器を3〜4台置いて営業されている自家焙煎の喫茶店を見かけることがあります。
手回し焙煎の詳しいやり方は、こちらの記事で解説しています。
コーヒー焙煎 独学でのスキルアップ手順
それでは、もう少し細かくコーヒー焙煎のスキルアップの手順をみていきましょう。
①各焙煎レベルを焼き分けよう
焙煎レベルには主に7段階あり、それぞれの段階で焼き分けることをマスターします。
- シナモンロースト
- ミディアムロースト
- ハイロースト
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
1ハゼが始まったときが焼き上がり。
1ハゼが終わりかけ、または終了時。
1ハゼの終わりから2ハゼが始まるまでの中間地点。
2ハゼが始まったタイミング。
2ハゼのピーク。
2ハゼがピークアウトしたとき。
2ハゼの終わりかけ、または終了時。
このようなタイミングで焼き上げます。タイミングは、主にハゼ音で判断します。
焙煎のレベルについては、コチラの記事で解説しています。
②コーヒー豆に合わせた焙煎レベルを設定しよう
コーヒー豆にはそれぞれ、適正な焙煎レベルがあります。
ただし、これも実は個人差があります。
例えば、ブラジルの豆が中煎りが心地良く感じる人と、深煎りが心地良く感じる人、それぞれいたりします。自分がこの豆はこの焙煎レンジが美味しいと思う、というポイントをやりながら掴んでいきましょう。
ざっくりとした一般的な目安はありまして、次の通りです。※クリックで拡大します。
ただし、あくまでも豆によりますので、参考まで。
③量を焼いて焙煎に慣れよう【再現性をたかめる】
次に再現性を高めましょう。同じ様な焙煎を行って、同じ様な風味を出せるようにします。手焙煎だと温度計がありませんので、再現性を高めるのが難しい一面があります。
そこで重要になるのが時間です。
例えば、
200gでシティローストなら1ハゼまで7分半、焼き上がりまで11分、
というように、グラム数や焙煎レベルによって、
1ハゼまでの時間、焼き上がりの時間をそれぞれ自分なりの基準を持つと良いでしょう。
焙煎の時間については、コチラの記事で解説しています。
④13段階の焙煎レベルで焼き分けよう
再現性を高めたら、今度はもっと細かい焙煎レベルで焼き分けられるようにします。
各焙煎レベルの中間点で、例えばハイローストとシティローストの中間、といったポイントでも焼き上げることができるようにします。豆によっては、このような中間点で焼き上げることが、一番ポテンシャルを発揮する場合があるからです。
焙煎時間にすると数秒から十数秒の差だったりするんですが、焙煎を追求していくと、ここまで細かい部分をやりくりするようになります。
⑤コーヒー豆の特性に合わせた焙煎プロファイルを探ろう
最終的には、コーヒー豆それぞれの特性に合わせて焙煎の調節を行えるようになります。
例えば、
- 水分含有量の多い重い豆は水抜きの工程を長く
- エチオピアシダモのナチュラルは火が入りやすいので、1ハゼ後の火力をかなり絞る
などなど、焙煎をやっていくうちに自分なりの知見やノウハウが貯まってくるようになります。ここが焙煎の楽しい部分でもありますし、そこまで追求できたらプロとしてやっていくのに十分過ぎる程です。
自宅で趣味で焙煎する方なら③まで。
プロを目指す方は、④まで、とりあえずは目指すと良いかと思います。
コーヒーの焙煎教室の利用も、おすすめします。
実際に淹れて飲んでみても、なんか、美味しくない気がする。
焙煎を実際にやってみると、細かい部分が気なるがネット上でどう調べたらよいか分からない。
そんなときは、焙煎教室に言ってみるのも、1つの手です。本格的なガスの焙煎機を使った焙煎教室が一般的ですが、焙煎の流れ・基本は手焙煎と一緒です。
自分ひとりで独学で焙煎していても、なかなか自信が持てないものです。美味しく焙煎できていたとしても、なんかマイナスなポイントを見つけては、ちょっと違うかな、なかなか上達しないな、などど思ってしまうものです。
焙煎教室に行ってみると、意外と「あ、こんな味でOKだったのか」と思ったりするかもしれませんよ。
もちろん、おうち焙煎をやる前に、何も分からない状態で行っても大丈夫。イチから丁寧に教えてくれるところがほとんどです。
ただし、焙煎教室で習った方法が唯一の方法だとは思わないようにしてください。焙煎には色々な方法があって、これが正解というものはありませんから。このブログの記事も、多くある方法のうちのひとつとして見てくださいね。
コーヒー焙煎は独学できる?【結論・可能です】 まとめ
コーヒー豆に含まれる化学成分は何百種類とあり、風味に複雑に影響を及ぼしています。もちろん、コーヒー豆の種類によってその成分の比率も変わります。それらを焙煎で完ぺきにコントロールすることは、そもそも不可能です。そして、人の味覚は人それぞれ。
美味しさなんて、幻想に近いものがあります。
自分が焙煎した豆が美味しく感じるかどうか、これは技術がある、なし、ではなく、自信があるか、ないか、によります。自信があれば美味しく感じ、自信がなければ美味しくないポイントを探してしまう。ただ、それだけです。
焙煎なんてただ煎るだけ。確かに奥深い部分もありますが、何も難しいことはありません。
豆によって適切な焙煎の深さは変化しますので、それを見極めて、そのポイントで焙煎を止めるだけ、です。それだけできれば、プロになれます。
美味しさに大きく影響するのは、焙煎ではなく、豆本当に美味しくないのであれば、問題なのは焙煎の技術ではなく、豆選びが失敗しています。これだけは、私の経験からハッキリと言えます。諦めて、次はもっと良い豆を買いましょう。笑
私は本やネットで独学で学び、自宅で手焙煎をしながら試行錯誤して、焙煎の基本的な流れを把握しました。その後、カリタの焙煎教室に一度行き、ガス火の本格的な焙煎機にそこで始めて触れました。
あとはほぼぶっつけ本番。しかし、コーヒー豆に熱がどのように加わり、どのように変化していくかは把握していましたので、最初から美味しく豆を焼くことはできました。
是非、まずは気軽に焙煎にトライしてみてください。コーヒーの生豆は、1キロ買っても1,000〜1,500円と激安です。
ゲイシャなど高級な豆でも安く買えるので、是非挑戦してみて欲しいですね。ゲイシャは通常浅煎りのものしか売っていません。それを深煎りしたらどうなるのか?など、コーヒーの楽しさがすごく拡がります。
今日はこんな感じです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。