- 焙煎のレベル
- 産地
- 品種
- 生産方法
コーヒーショップに行くと、色々と情報が多すぎて複雑です。
この為、コーヒー豆選びって初心者の方は難しく感じてしまいがちです。
そこでこの記事では、コーヒー豆の選び方を基礎から解説しています。
- 初心者向けに、失敗しない為のここだけは抑えて欲しいポイント
- 中級者以上向けに、自分に合った最高のコーヒー豆の選び方
- 【まずはコレから!】おすすめの鉄板コーヒー豆
これらをまとめて解説します。
先日、動画でもアップしました。
初心者の方向けに限定した内容になっています。
記事を読むのがめんどくさい方は、こちらをどうぞ。
今回の記事を読むと、初心者でもコーヒー豆選びに失敗しない簡単な方法が分かります。
また、コーヒーにこだわりたい人なら、きっと最高の1杯が見つかるヒントが得られます。
コーヒー豆の選び方【チャートで解説】
コーヒー豆の選び方の基本ですが、
- 最初は焙煎具合で選び
- 次に生産地で選ぶ
- 慣れたら、品種や生産方法で選ぶ
この順にみていくと良いでしょう。
重要な順になっています。
初心者は、コーヒー豆の焙煎具合で選ぶ
自分の味覚に合うコーヒーを見つけるために、最初に注目するポイントは「焙煎具合」です。
コーヒー豆の焙煎具合によって、ある程度味の傾向が決まるからです。
焙煎が浅いものは酸味が多く、苦味が少ない。
焙煎が深いものは苦味が多く、酸味が少ない。
まずは、この傾向を覚えて下さい。
コーヒー豆は7段階の焙煎具合があります。
浅煎りから、
- シナモンロースト
- ミディアムロースト
- ハイロースト
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
それぞれの味の傾向をチャートにしてみました。
となっています。
イタリアンが一番深煎りです。
中級者は、コーヒー豆の生産国・産地で選ぶ
コーヒーは国によって味の傾向が異なります。
さらに言うと、同じ国でも産地や農園でも風味が異なります。
ここでは初心者にも分かりやすくする為に、ものすごくざっくり、世界のコーヒーの産地を4つに分けて特徴を見てみます。
地域それぞれの風味の傾向チャートにしてみました。
もちろん一般的な傾向であって、このチャートの風味に当てはまらないキャラクターを持つ豆も多いのでご注意ください。
上級者は、コーヒー豆の品種や生産方法で選ぶ
焙煎具合、生産地域でのコーヒー豆選びに慣れたら、次は品種や生産方法に注目です。
特に生産方法で、風味の特徴が大きく変化します。
主な生産方法は、
- ナチュラル
- ウオッシュト
- ハニー
- スマトラ式
それぞれの風味の特徴をチャートにしてみました。
生産方法の詳細については、後述します。
【初級編】コーヒー豆は焙煎具合で選ぶ
初心者は、まずはコーヒー豆の焙煎具合に注目。
- 「浅煎り」のコーヒーは、苦味が控えめで酸味強め。スッキリした風味に。
- 「深煎り」のコーヒーは、苦味が強めで酸味が控えめ。こってりとして風味に。
このように、はっきりとした傾向があります。
自分の味覚を知り、コーヒー豆を選ぶ
コーヒーの味覚の傾向は、
- 苦味が好きな人、フルーティな風味が好きな人
- コクが強い方が好きな人、さっぱりスッキリが好きな人
このように分かれます。
ですので、
- 苦味やコクが好きな人は、「深煎り」
- フルーティやスッキリが好きな人は「浅煎り」
のコーヒーを選ぶようにします。
コーヒー豆の焙煎具合
コーヒーは生の豆を焙煎し、熱を加えることによって成分が化学反応を起こし、茶色く香り豊かなおなじみの状態になります。
焙煎をどれだけ強く・深くするかによって、風味が変わります。
- シナモンロースト(浅煎り)
- ミディアムロースト(やや浅煎り)
- ハイロースト(中煎り)
- シティロースト(中煎り)
- フルシティロースト(やや深煎り)
- フレンチロースト(深煎り)
- イタリアンロースト(深煎り)
・・・強い酸味。
・・・酸味強め・苦味ほぼ無し。
・・・酸味ややあり。苦味も少し。
・・・バランス型。
・・・苦味やや強め。酸味は僅か。
・・・苦味強め。酸味ほぼ無し。
・・・苦味、コク強め。
浅煎りになるほど酸味が強く
深煎りになるほど苦味が強い
焙煎のレベルによって、このような違いが出ます。
分からない人は、
まずは④シティローストあたりの豆を試そう。
飲んでみて、もっと苦味が欲しければ焙煎深いタイプの豆を。
苦味がキツく感じたら、もっと浅煎りの豆を選びましょう。
店によって、同じ豆でも違う焙煎レベルで焼いている場合があります。
分からない場合は店員さんに聞いてみよう。
①自分自身の味覚に合う、焙煎レベルを見つける。
これが、豆選びのファーストステップです。
【中級編】コーヒー豆の生産国・産地で選ぶ
ブラジルやエチオピアなど国や地域によっておおまかな風味の傾向があります。
同じ国でも地方や農園で味の差が出たりも、もちろんありますが、ここではまずざっくりと世界を4の地域に分け、それぞれの味の傾向を解説します。
アジア
深めの焙煎で真価を発揮し、ボディが強いことが特徴。
華やかな風味には欠けるが、コスパは良い国が多い。
インドネシア
パプアニューギニア
タイ
中国
ベトナム
東ティモール
インドネシアのマンデリンやトラジャが有名ですね。
中米
華やかで軽く明るい酸味があり、フローラルな風味が特徴。
グアテマラなど一部では強いボディを持つ豆も。
グアテマラ
メキシコ
コスタリカ
ホンジュラス
エルサルバドル
ニカラグア
パナマ
ドミニカ
ジャマイカ
キューバ
南米
標高が低い産地が多い為、一般に華やかな酸味が無い。
ナッツ系の風味でコーヒー感が強い。
ブラジル
コロンビア
エクアドル
ペルー
アフリカ
浅煎りから深煎りまで対応できる、実の締まった豆が多い。
多様な果実味を感じさせ、風味の特徴が強い。
エチオピア
ケニア
タンザニア
ルワンダ
ブルンジ
コンゴ
マラウィ
国や地域によっても大きな差がありますが、まずはざっくりと4つの地域を把握すると、分かりやすいです。
【上級編】コーヒー豆の生産方法や品種で選ぶ
焙煎具合や産地によって、コーヒー豆を選ぶことに慣れてきたら、最後は生産方法や品種に注目です。
ここまで来れたら、かなりのコーヒーマニアと言って良いでしょう。
コーヒー豆の生産方法で選ぶ
生産方法で選ぶ、というのも一つの方法です。
一般的に精製方法にて分けらます。
同じ農園の同じコーヒー豆でも、生産方法の違いで風味に明確な差が出ます。
コーヒーの代表的な生産方法を簡単に解説します。
ウォッシュト
最もポピュラーな精製方法。
コーヒーの果肉を取り除き、水洗いなどでキレイにしたあとに乾燥させる方法です。
欠点豆の混入も防ぎ、味もクリーンになる。しかし個性が弱くなる傾向も。
ナチュラル
コーヒー豆の果肉を付けたまま乾燥させ、その後脱穀・精製する方法です。
果肉の風味が残り、個性が強くなる傾向があります。
欠点豆が混入しやすく、味のクリーンさが損なわれることも。
ハニープロセス
果肉を一応除去はするが、ある程度は残したまま乾燥させる方法。
個性が強く打ち出され、甘みが増すと言われている。
どの程度の果肉を残すかによって、
- ホワイトハニー
- イエローハニー
- レッドハニー
- ブラックハニー
と分けられる。
管理が難しい為、失敗すると味が濁ることも。
スマトラ式
インドネシアの一部地域で多く取り入れられている乾燥方法。
超短期間の乾燥によって、豆が水分を多く含有する状態で保存される。
独特の強いボディ感が出る。
デカフェ処理
コーヒー豆からカフェインの成分を除去する方法。
いくつか方式はあるが、おすすめはウォータープロセス。
化学薬品を使わず、安全にカフェイン成分だけを除去。豆の風味はそのまま残るので、普通に美味しい。
コーヒー豆は品種でも選べる
コーヒーは大きく分けて3つの品種があります。
- アラビカ種
- カネフォラ(ロブスタ)種
- リベリカ種
品質の良いコーヒー豆として発売されているものは、全てアラビカ種です。
そして、アラビカ種は品種改良が進み、多くの品種が開発されています。
また、突然変異によって美味しいコーヒーが偶然生み出されることもあります。
ティピカ種やブルボン種という、コーヒーの原種に近い種の方が、風味が豊かで味が良いという人もいます。
ただし、この説はかなり乱暴な気がします。
ひとつ言えることは、品種よりも気候や土壌などコーヒー豆の生育環境の影響の方が、大きいです。
例えばブルーマウンテン。
ジャマイカのコーヒーで、主に浅煎りで飲まれます。
この苗が、インドネシアに移植されて生産が始まりました。
すると、こちらで採れたコーヒー豆はアジアっぽい風味になり、深煎り向けの豆となりました。
ジャマイカとインドネシアとで、同じ品種でも風味は全く異なるものになります。
品種はあまり気にしなくても良いものですが、ゲイシャのような希少種の名前をいくつか覚えておくと、コーヒー豆選びが楽しくなるかもしれません。
おなじみのゲイシャ種など、近年注目されるようになった品種も多いです。
【まずはコレから!】おすすめの鉄板コーヒー豆
それでは入門編として、おすすめの鉄板コーヒー豆をご紹介します。
最短でコーヒーの魅力を余すところなく感じていただくために、世界をざっくり4つの地域に分け、それぞれの代表ピックアップしました。
本気で私がおすすめする、世界を代表する4選です!
【南米エリア】ブラジル産 プレミアムボイア
深煎りがおすすめです。
プレミアムボイアは、コーヒーの実が熟しても収穫せずに、そのまま樹上で乾燥までさせる方法です。
この方法だと全ての豆が成熟しており、甘味が強い傾向があります。
また、深煎りにしても強い風味を保ってくれます。
苦味も酸味も抑えめでマイルドで飲みやすい。
でも、コクも甘味もしっかりある。
コーヒーの魅力がギュっと詰まった風味を楽しめます。
【中米エリア】コスタリカ産 ハニー製法のコーヒー
浅煎りがおすすめです。
中米のコーヒーは、クリアで華やかな酸味が特徴。
フローラルな風味とも言えます。
ハニー製法は、コーヒーチェリーの果肉を少し残したまま乾燥させる方法。
ジューシーな風味に仕上がります。
この製法はコスタリカが最も発達しており、バリエーションも豊富です。
【アジアエリア】インドネシア産 マンデリン リントン地区
深煎りがおすすめです。
アジアどころか、コーヒー全体を代表する人気銘柄「マンデリン」。
独特のボディの強さ、風味の強さ、オイリーでなめらかな口あたりが特徴です。
マンデリンの品質はピンキリで、品質の悪いものも多くて注意が必要です。
そんななか、北スマトラのリントンという地区で生産されたマンデリンは、比較的信頼が置けます。
「当たり」のマンデリンが飲みたければ、まずはリントン地区産のものを探すことをおすすめします。
【アフリカエリア】エチオピア産 シダモ地方グジ地区
浅煎り〜中煎りがおすすめです。
エチオピアといえば、「モカ イルガチェフェ」が有名ですね。
フルーティでワイニーな、個性の強い人気銘柄です。
ただし、イルガチェフェも品質がピンキリ。
「ハズレ」を引くことも、正直多いです。
そこで、最近注目なのが「グジ地区」。
イルガチェフェ以上の風味を誇り、さらに平均的に品質が高く安定してます。
「イルガチェフェの上位互換」の生産地かもしれません。
強烈なフルーティさを持っており、「コーヒーは果実だ」を感じさせてくれる豆。
浅煎りから深煎りまでオールマイティに良い風味を出してくれます。
番外編1 コーヒー豆の選び方 エスプレッソ編
エスプレッソに合うコーヒー豆は、「深煎り」
エスプレッソに合うコーヒー豆は、
アラビカ種で
深煎りで(フルシティかフレンチロースト)
美味しい豆です。
深煎りで美味しい豆は限られます。
その為、
- ブラジル
- グアテマラ
- インドネシア
- エチオピア
あたりの生産国で深煎りのコーヒーが、エスプレッソに適していることになります。
グラインダーを持っていない方は、
コーヒー豆を買うときに
「エスプレッソ用でお願いします」
「極細挽きでお願いします」
このように店員さんに頼むと良いでしょう。
市販されているエスプレッソ用のコーヒー豆には、ロブスタ種が混ざっていることが多いです。
本場イタリアでも使用されるロブスタ種ですが、アラビカ種より風味が劣ります。
番外編2 コーヒー豆のグレードで選ぶ
コーヒー豆のグレードは一般的には以下の4つに分けられています。
- スペシャルティ
- プレミアム
- コモディティ
- ローグレード
スペシャルティコーヒーは普遍的な国際基準ではありませんが、その生豆評価基準はかなり普及しています。
スペシャルティのなかでもクオリティの高い豆は品評会(カップオブエクセレンス)で受賞され、高値で取引されるような仕組みにもなっています。
ただし、プレミアムやコモディティコーヒーのなかにも抜群の風味を持つコーヒーもあり、絶対的な評価基準ではありません。
スペシャルティコーヒー
特別な生産条件が生み出す際だった風味を持つコーヒー。
豆の個性が際立ち、風味が豊か。Top of top の品質。
プレミアムコーヒー
生産地域や農園などが限定されている特殊なグレードのコーヒー。
コモディティコーヒー
産地規格のみで最も多く流通するグレード。
ローグレード
安価な低級品のコーヒー。
ロブスタ種も含まれ、インスタントコーヒーや缶コーヒーなどに使用される。
コーヒー豆の選び方 まとめチャート
コーヒー豆の選び方のまとめです。チャートで図解にしてみました。
焙煎の度合いで・・・浅煎りか、中煎りか、深煎りか?
中級者のコーヒー豆選びは、
産地で・・・南米、中米、アジア、アフリカ
上級者のコーヒー豆選びは、
生産方法や・・・ウォッシュト、ナチュラル、ハニー
品種で・・・ブルボン、ティピカ、ゲイシャなど
価格で選ぶのは危険
コーヒー豆は、価格と味の良さは必ずしも連動しません。
価格が決まる要素として、
- 生産国の人件費の高さ
- 日本までの輸入コスト
これが大きく左右し、味と関係ない部分の影響が大きいからです。
なので、
安くて美味しいコーヒー豆は存在しますし、
逆に高くて美味しくない豆もあります。
コスパにこだわるのでしたら、是非コチラの記事を読んでみて下さい。
コーヒー豆は鮮度が重要
コーヒー豆選びにおいて大切なのは、実は、鮮度です。
焙煎後、良い状態で飲むことができるのは3週間程度です。
そして香りのピークは焙煎後3日目〜5日目くらいと言われています。
この最高の状態で飲むコーヒーは格別なものがあります。
是非このタイミングのコーヒーを楽しんで欲しいです。
コーヒー屋にとって焙煎日の表示は勇気のいることです。
古い豆が売れなくなり、ロスになるリスクを抱えることになります。
それでも表示に踏み切るのはプロ意識や誠実さのあらわれです。
そんなお店は信頼できます。
是非、上記の選び方のチェックポイントと、焙煎からの鮮度を、意識してみてください。
今日はこんな感じです。
ありがとうございました。